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[特集2]厚木基地をめぐる動向と市の取り組み

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神奈川県 大和市 クリエイティブ・コモンズ

県内の自治体で2番目に人口密度が高い本市に厚木基地が所在することで、市民は航空機の騒音被害や事故への不安など、さまざまな影響を受けています。今号では厚木基地をめぐる動向と市の取り組みについてお伝えします。

◆航空機騒音の現状
市は、市民への騒音被害の実態把握のため、市内5か所に設置した自動騒音計で、常時、航空機騒音を測定しています。昨年1年間の月別騒音測定回数(滑走路北約1キロメートル地点における70デシベル以上、5秒以上の継続音などが測定対象)は、794回から1,239回となり、1日当たり平均30回以上の航空機騒音が発生していることになります。また、厚木基地に飛来する米軍ジェット戦闘機などによる100デシベル以上の甚大な騒音もたびたび測定されており、市民に騒音被害が及んでいます(上のグラフ参照)。
※グラフは本紙をご覧ください。
市は今後も騒音被害軽減に向けた取り組みを進めていきます。

◆航空機事案の発生状況
厚木基地では部品紛失や予防着陸などの航空機事案が発生しています(左表参照)。昨年8月には海老名市内の水田に、10月には茅ヶ崎市内の海岸に米海軍のヘリコプターが予防着陸し、その後、厚木基地に着陸しました。市は、国と米軍に対し早期の原因究明と再発防止策の徹底などを要請しました。
人口密集地域に所在する厚木基地周辺で万が一にも航空機事故が発生すれば、甚大な被害につながるおそれがあることから、市は機会あるごとに航空機の安全対策の徹底を求めています。

・厚木基地に関わる航空機事案発生状況(令和6年度)

◆最近の厚木基地の動向
近年、日米共同訓練などの実施に伴い、厚木基地はさまざまな用途に使用されています。

◇多国間演習「ヴァリアント・シールド2024」
昨年6月7日から18日に全国の自衛隊施設や在日米軍施設などで実施され、厚木基地では共同患者後送訓練に伴い、陸上自衛隊のUH-1Jヘリコプターと、航空自衛隊のC-130H輸送機が飛来しました。

◇日米共同統合演習「キーン・ソード25」
昨年10月23日から11月1日に全国の自衛隊施設や民間空港、日本の周辺海域などで実施され、厚木基地では陸上自衛隊による基地等警備訓練や航空自衛隊による高射部隊の機動展開訓練が行われたほか、海上自衛隊のP-1哨戒機が四国沖などで行われた統合対艦攻撃訓練に参加しました。また、本訓練に参加するオーストラリア軍のP-8A哨戒機2機が、機体整備などのため厚木基地を使用しました。

◆市の取り組み
市は、大和市基地対策協議会や県、周辺自治体と連携した要請活動(下表参照)を通じて、国や米軍などに対し、航空機の騒音被害軽減や安全対策の徹底のほか、学校防音工事補助や住宅防音工事助成など国の基地周辺対策の拡充などを求めています。
厚木基地をめぐっては、空母艦載機の着陸訓練実施時に硫黄島の予備施設に指定されており、また、住宅防音工事において多くの待機世帯があることや、航空法による建築物の高さ制限が市域の大半に課され街の発展に支障が生じていることなど、さまざまな課題があります。
市は、引き続き厚木基地に起因する諸問題の解決と市民負担の解消に向けた取り組みを進めていきます。

◆厚木航空基地を視察
市民・議会・行政の代表者で構成される大和市基地対策協議会(会長:古谷田力市長)は、昨年7月、海上自衛隊厚木航空基地を視察しました。
視察では、海上自衛隊厚木航空基地の機能・役割などの概要や航空機の安全対策の取り組みなどの説明を受けたほか、飛行前後の点検作業や、新たに導入された哨戒ヘリコプターSH-60Lの機体、基地内施設を見学しました。
同協議会は、引き続き厚木基地に起因する諸問題の解決と市民負担の解消に向けた取り組みを進めていきます。

・主な要請活動(令和6年度)

問い合わせ:市役所基地対策課基地対策係
【電話】260-5310【FAX】261-4592

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