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自治体の皆さまへ

〜誰もがその人らしく〜共生社会の実現に向けて

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神奈川県小田原市

市では年齢、性別、国籍、障がいの有無などにかかわらず、全ての人が自分らしく生き生きと暮らせる共生社会の実現に向け、共生社会推進本部を立ち上げ、全庁的に取り組んでいます。
取り組みのうち、今年度新たに導入した、障がい者の就労支援を目的とした分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」の窓口設置や、市内で広がっている農福連携についてご紹介します。

◆[就労支援]「OriHime」の導入で広がる障がい者の活躍の場
市では県と連携し、障がい者の就労などの機会を増やす取り組みを行っています。その一環として、分身ロボット「OriHime」を5月から障がい福祉課窓口に導入しました。「OriHime」を活用することで、障がいのある人が在宅などで社会参加し、活躍することができる新たな就労の機会を創出します。
・市役所で窓口業務にあたる「OriHime」の様子(動画)
※QRコードは本紙4ページをご覧ください
・「OriHime」の向こう側では…
※詳しくは本紙4ページをご覧ください

▽「OriHime」とは
「OriHime」はAIではなく、パイロットといわれる生身の人が操作して動くロボットです。「OriHime」を通じて会話することで、あたかもその人がその場にいるかのようにコミュニケーションを取ることが可能です。
この取り組みは、障がい者の働き方の一つとして、就労機会の拡大を図ると同時に、障がい者の新たな就労の形として社会に発信することで、共生社会の実現につながると期待されています。

▽「OriHime」の活躍
障がい福祉課の窓口に来庁した人に対する受付・案内業務、障害福祉サービス事業所が行っている庁舎内販売での販売補助、「ともに生きる社会かながわ憲章」のPR活動など、その活躍は多岐にわたります。
今後、「OriHime」が多くの人と交流し、活躍できる場を増やすために、市内で開催されるイベントなどにも積極的に参加できるよう、準備していきます。

▽勤務日
原則、火・木・金曜日の各日3時間(午前9時30分~11時30分、正午~午後1時)

◇梅をイメージしたドレスも制作中です!
「OriHime」を知ったのは、テレビ番組がきっかけでした。私は病気で外に出ることが難しいので、自宅に居ながら働くことを可能にしてくれる分身ロボットの存在に「これだ!」と思いました。
その後、県の非常勤職員として採用され、市障がい福祉課の窓口対応だけでなく、共生社会の実現に向けた会議に出席するなど、「OriHime」を通じてさまざまな仕事をしています。
「OriHime」は、カメラが内蔵された頭を遠隔操作で動かせるので、視野が広がり、その場にいるかのようで楽しいです。
実は「OriHime」が身に着けている服は私の手作り。小田原で働き始めたので、梅をイメージしたドレスも制作中です。市役所に来られたら、ぜひ会いに来てください。

◎みさきさん
高アドレナリン体位性頻脈症候群、筋痛性脳脊髄炎を患い、外出が困難。OriHimeのパイロットとして、県や市の仕事に従事している。愛称は「みーちゃん」。

◆[農福連携]農福連携で双方の課題解決
市では、障がいのある人が農作業を行うことで、自信や生きがいを獲得し、社会参加の推進を図るとともに、担い手不足が進む農業分野の新たな働き手を確保するといった、双方の課題解決に期待されている農福連携に取り組んでいます。
農福連携は、農業者と障害福祉サービス事業所それぞれのニーズを把握し、可能な作業内容の確認や、労働時間などを調整することから始まります。市では昨年度から、地元の農業者や障害福祉サービス事業所など、関係者との意見交換会などを行い、試験的に双方のマッチングを行いながら、取り組みを進めてきました。
今年度はさらなるマッチング機会の創出に向け、新たな仕組みづくりを検討しています。今後の農業者と障害福祉サービス事業所におけるスタンダードな連携の形を目指します。

◇気持ちの面でも大きな力に
私たちが小田原市と共に市内3つの障害福祉サービス事業所と連携を始め、2年目を迎えました。事業所所属の障がいのある人に農作業を手伝っていただいています。
最近ではミカンの収穫を行い、ジュース用のミカンの皮むきなどをお願いしました。また、近年、沼代では耕作放棄地が増えており、こうした場所をイノシシがすみかとするので、周囲の農地が荒らされないよう手入れが必要です。そこで、耕作放棄地で伐採した枝葉の処理や、草むしりなどの作業をお願いしています。
作業量が軽減されたことはもちろん、気持ちの面でも助けられています。農業の仕事は栽培から収穫、加工品作りなど膨大で、家族だけでこなしていると気がめいることもあります。しかし、一緒に取り組む仲間が増えたことで、「みんなで頑張ろう!」と前向きになれます。
みんなの仕事に対する姿勢は真面目ですが、障がいの種類によって得手不得手があります。今後はこうした適性を見極めて、チームとしてより仕事を効率化していきたいと思っています。

◆[人権指針]共生社会の実現に向けて~人権指針が改定されました~
近年の人権問題の多様化・複雑化、市民の意識の変化などを踏まえ、市では、「小田原市人権施策推進指針」を3月に改定しました。
共生社会の実現には、高齢者や子ども、障がいのある人など、さまざまな人たちに対する理解を深め、偏見や差別の意識をなくし、一人一人の人権を尊重することが必要です。共生社会の実現に向けて、この指針に基づいた施策を推進していきます。
・市人権施策推進指針
※QRコードは本紙5ページをご覧ください

◇共生社会の実現に向けてパネル展
期間:12月22日(金)~28日(木)
場所:市役所2階談話ロビー
内容:「ともに生きる社会」「農福連携」の取り組み紹介、物品販売など

【WEB ID】P34349

問合せ:福祉政策課
【電話】33-1861

《ともに生きる社会 かながわ憲章 KANAGAWA CHARTER for an Inclusive Society》
一 私たちは、あたたかい心をもって、すべての人のいのちを大切にします
一 私たちは、誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現します
一 私たちは、障がい者の社会への参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除します
一 私たちは、この憲章の実現に向けて、県民総ぐるみで取り組みます

【WEB ID】P36307

問い合わせ:障がい福祉課
【電話】33-1468

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