児童・生徒数の減少や社会変容に伴う学校教育の変化、学校施設の老朽化などを背景に、市では令和4年度から、子どもたちにとって望ましい教育環境について考える「新しい学校づくり推進事業」に取り組んでいます。
《「新しい学校づくり」とは?》
「新しい学校づくり」は、将来の「新しい学校」のイメージと、その実現に向けた方策を考え、今後の学校施設の改築や長寿命化改修※につなげる取り組みです。
令和5年度に策定した「新しい学校づくり推進基本方針」を基に、現在は地域の学校配置の将来像をまとめる「新しい学校づくり推進基本計画」と、学校施設の具体的な機能や整備の基準をまとめる「新しい学校づくり施設整備指針」の策定を進めています。
※おおむね築60年で改築する建物を、目標使用年数を80年と設定し、築40~45年を目安に機能向上のために改修すること
《整備指針の検討~学校建築のプロフェッショナルと共に~》
「どのような建物をつくるか」についてまとめる整備指針は、改築や長寿命化改修を行う際の基準として、教室の広さや配置、バリアフリーやユニバーサルデザインの基準、環境に配慮した施設の考え方などについて示すもので、学校建築に精通した有識者や校長による「新しい学校づくり施設整備指針検討部会」と関係所管が一体となって検討を進めています。令和7年3月末までに策定し、公表する予定です。
《体系図》
〈新しい学校づくり推進基本方針〉
子どもたちの未来にとって望ましい教育環境
~10年後の新しい学校のイメージ~
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〈新しい学校づくり推進基本計画〉
~どこにどのような学校をつくるか~
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〈新しい学校づくり〉
施設整備指針
~どのような建物をつくるか~
《整備指針の5つのコンセプト》
1)新しい時代の学びを支える学習空間づくり
2)学校に集う全ての人にとっての「居場所」となるような生活空間づくり
3)放課後活動と地域活動の充実につながる空間づくり
4)脱炭素社会の実現に貢献する施設づくり
5)効率的かつ効果的な整備手法の検討と利用者意見反映のプロセス
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2つの視点
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〈ウェルビーイング〉
学校に集う全ての人たちが、「身体的・精神的・社会的に良い状態」で、充実した生活を送ることができる環境づくり
〈フレキシビリティ〉
多様な学びのスタイルや時代の変化などに柔軟に対応できる施設づくり
《スケジュール》
〈令和6年度〉
基本計画の策定
整備指針の策定
〈令和7年度〉
基本計画の策定
学校施設中長期整備計画の見直し
〈令和8年度~〉
順次、改築・長寿命化改修を実施
《モデル地域でのワークショップを実施中》
地域の学校配置の将来像は、保護者、教職員、地域関係者など、学校に関わる全ての人と共に考えていく必要があります。
そこで、東富水・富水・桜井地域(泉・城北中学校区)をモデル地域として、地域の「新しい学校づくり」を考えるワークショップを9月から実施しています。ワークショップの参加者に話しを聞きました。
◆参加者インタビュー
〈公募〉
《子どもたちの幸せな成長を願って》
子育て中の保護者として、教育環境が今後どう変化するのか、情報を得るチャンスだと思い応募しました。
まず、地域の学校が老朽化し、改築などに多額の費用が発生する現実などについて、数字とグラフを用いたレクチャーを受けることで、教育現場の現状と課題が理解できました。
また、ワークショップでは、教育関係者や地域関係者など、さまざまな視点による問題意識を知ることができ、学校が担う役割について視野を広げられたと思います。
このワークショップが実現可能で持続可能な「新しい学校」の姿を見つける一助となることを期待しています。
〈PTA〉
《話を聞いて考えに変化が》
小学生の子を持つ私にとっては、学校現場の現状維持を望んでいましたが、さまざまな立場の人といろいろな観点から議論し、未来の学校について考えることで、これからの教育現場の動向を知る良い機会となりました。
そのため、子どもたちにとってより良い教育環境になるのであれば、今までの概念を覆すような新しい学校づくりも良いことだと、思うようになりました。
多くの人が納得できる学校づくりとなって欲しいです。
〈学生ファシリテーター〉
《皆さんの議論が活発に進むように》
今回のワークショップでは、ファシリテーターとして携わる貴重な経験を得られました。
グループワークでは事前の雑談などで話しやすい場を作りながら、テーマや目的に沿った話し合いができるよう心がけました。
さまざまな立場の人から、学校や地域に関する意見を聞くことができ、皆さんの学校づくりへの関心の高さを感じました。
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