昨今、地球温暖化が進み、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの削減が急務となっています。こうした背景を踏まえ、市では脱炭素社会の実現に向けて、燃やすことで多くの二酸化炭素を発生する「プラスチック」を全て資源として循環させ、二酸化炭素を削減していくことを目指しています。今号ではその取り組みの一部について紹介します。
■市民の皆さんと築いた川崎のごみ処理の歴史
これまで市は、ごみ処理の分野で多くの日本初の取り組みを行ってきました。ごみが増え、ごみ非常事態を宣言した後は、人口が増えている中、市民の皆さんの協力のもと資源物の分別収集を進めたことで、多くのごみを減らすことができました。
1955:日本初!機械式のごみ収集車両を導入
1990:ごみ非常事態を宣言
1995:
・日本初!環境にやさしいごみの鉄道輸送の開始
・資源物の分別収集を進める
2017:市民1人1日当たりのごみ排出量が政令指定都市で最少に!(2019年まで)(出典…令和6年3月一般廃棄物処理事業実態調査の結果(環境省))
2024:川崎区でプラスチック資源の一括収集の開始
■始動中!~かわプラ(全国有数のプロジェクト)
現在、市では、市民・事業者・行政が連携して、プラスチックの回収・リサイクル・再商品化に取り組むことで、100%プラリサイクル都市を目指す「かわさきプラスチック循環プロジェクト(愛称:かわプラ)」を進めています。
〔100%リサイクル〕
市民が分別排出(ペットボトル、プラスチック製容器包装、プラスチック製品)
↓
行政・事業者が回収
↓
市内リサイクル事業者がリサイクル素材に
↓
製造事業者・小売事業者が製品化・販売
↓
再び市民の元へ
◆100%プラリサイクル都市を目指せるワケ(1)…臨海部にリサイクル施設が集積
臨海部には先導的なリサイクル施設が集積しており、多くのプラスチックをリサイクルすることができます。過去には、その取り組みが評価され、国からエコタウン第1号にも認定されました。
国内プラスチックリサイクル量(令和3年)(マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクルの合計値(出典…令和3年プラスチック循環利用協会資料)):約206万t
臨海部のリサイクル能力:約28.7万t
国内リサイクル量の約10%以上
◆100%プラリサイクル都市を目指せるワケ(2)…川崎はペットボトルのリサイクルが得意
ペットボトルからペットボトルへのリサイクル
「ボトル to ボトル」はどの程度進められているの?
川崎市:100%
全国平均:約30%(出典:全国清涼飲料連合会活動レポート2024)
◇ボトル to ボトルのいいところ
・ゼロからペットボトルを生み出すより約5~6割も二酸化炭素の排出量を減らせます。
・洋服などにリサイクルすると、その後リサイクルできず燃やされることもありますが、同じペットボトルにリサイクルすることで繰り返し資源として利用できます。
◇100%のボトル to ボトルが実現できる2つのポイント
1.(量)処理能力の高さ
市内で排出されるペットボトルの約7倍リサイクルできる能力が川崎にはあると言われています。それは神奈川県全域でリサイクルされる量を超える約17億本以上。他都市のペットボトルのリサイクルもお手伝いしています。
2.(質)技術力の高さ
マテリアルリサイクル:素材のまま細かくして洗ったり溶かしたりして作り変えること
ケミカルリサイクル:化学的に分解して新しく作り変えること
2つのリサイクルを行っているのは全国で唯一川崎市だけ!
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