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自治体の皆さまへ

市道の安全、守ります(1)

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神奈川県平塚市

私たちが日常的に使っている市道。市道を補修・整備して、日々安全な「みち」を維持する市の業務を紹介します。

◆スマホで調査中
車のルームミラーの前面に、市道路管理課の職員が黒いスマートフォンを取り付けています。このスマートフォンを使って、市内全域を調査しています。
Q 何を調べているのでしょう。
A 答えは、「道路の状況」でした。

◆県内自治体で初めてのAI調査
市では県内市町村で初の取り組みとして、市道の損傷状況をAIで調べる「スマートフォンによる道路点検DXシステム」調査をしました。使用したのは、ニチレキ・スマートシティ技術研究所・東京大学の3者が共同で開発した、「グローカルアイズ」というシステムです。車のフロントガラス越しに、専用のアプリで路面を撮影。撮影したデータをAIシステムに送信すると路面の状況が解析され、短時間で損傷状況が確認できます。9月末から市域全体を走行し、実働14日間で約800キロメートルを調査しました。
道路管理課の大野弘之主管は、「今回の全域調査を全て職員だけでするとなると、少なく見積もっても半年以上はかかってしまいます。調査に当たる人数や通常の業務の状況を考えると、全域調査は現実的ではありませんでした」と語ります。AI調査を導入したことで、短期間で効率的に、正確な調査ができたと言います。同システムの導入にあたって懸念していたのが、解析の正確性です。導入を決める前に、道路管理の経験が長い職員らが現地調査をし、その結果とAI調査のデモンストレーション結果とを比較しました。「職員による調査結果とAIによる結果はほぼ一致したことから、正確性に問題はないと判断しました」と大野主管は言います。
AI解析の結果は、パソコンで確認できます。地図上に損傷度に応じて色分けされた線が引かれ、損傷がある部分をクリックすると、スマートフォンで撮影した写真を見ながらデータを確認できます。調査結果は、今後、市道の計画的な補修を進めていくための資料となります。

◆要望の現場は必ず確認
「幅20センチ、深さ3・4センチ」「これは今から、穴埋め班に補修をお願いしましょう」
10月19日午後2時。道路管理課の職員2人が、路面にできたへこみを確認しています。市民から補修の要望を受けた現場を、確認して回っているところです。へこみの大きさと深さを測って写真を撮り、記録を残します。緊急の対応が必要かどうかを判断し、次の現場に向かいます。
次の現場はカーブミラーの新設要望です。「幅員が5・5メートル」「左右の見通しも良いので、自動車同士が直接目視できますね」。カーブミラーは道路の形状や幅員、直近で事故があったかなどを調べ、設置の可否を決めます。カーブミラーは設置しても必ず死角ができ、ミラーの写像を過信した運転で、歩行者や自転車の巻き込み事故が起こる可能性もあります。要望が寄せられるとその都度、必要性を慎重に検討するため、現場で状況を確認して判断します。
この日の午後に4時間かけて回った現場は10件。カーブミラーの新設・角度調整、道路側溝のふたの交換、伸びた街路樹の剪定(せんてい)など、現場で確認する内容は多種多様です。
同課では、市民などから要望を受けた現場を、毎日職員がパトロール車で確認に回っています。齋藤(さいとう)隆司副技能主査は、「単に現場と現場を移動するだけではなく、道路に落下物はないか、路面の状態が悪いところがないかなど、周囲を確認しながら走っています」と言います。
同課には電話やみちれぽなどで、年間2600~2800件ほど、道路に関わる要望が寄せられます。要望を受けても、法的な問題や設置の基準、道路の形状などで対応できない場合もあるため、現場の確認は欠かせません。
小澤(おざわ)和也主任は、「一つ一つ状況が違うため、道の形状や幅員はもちろん、周辺の交通量などもしっかりと確認し、図面と照らし合わせながら検討しています」と、説明します。要望者との認識差を埋めるため、実際に現地で要望者とやりとりをして、要望内容や箇所、どういう点で困っているのかという部分を確認することもあります。1件1件現地を確認して対応を検討した後は、実際の補修に当たる班に情報を共有して、補修をします。

◆日々、地道に安全を守る
ドドドドドドド︱
10月20日午前9時。アスファルトを平らにならす、プレートコンパクター(転圧機)の音が響きます。道路管理課の作業員が、前日までに現地調査が済んでいる箇所を補修しています。
同課の現場作業員は、街路樹の剪定や路面の打ち替えなどをする舗装班、カーブミラーの調整や道路側溝の補修などをする甲蓋(こうぶた)班、路面にできた穴を補修する穴埋め班の3班・16人体制で路面の維持管理に当たっています。この日に対応したのは穴埋め班。路面の穴にアスファルト合材を入れ、平らにならして補修しました。
石田剛副技能主査は「穴埋め作業は道路を通行止めにしないことも多いんです。安全性を確保しながら、できるだけ車の通行を妨げないよう素早く作業をしています」と、説明します。1日に補修をするのは3班で合わせて10件前後。日々、職員の目による地道なパトロールや補修作業を積み重ね、市道の安全を守っています。

問い合わせ:道路管理課
【電話︎】21-8794

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