◆平塚にいたナウマンゾウ
博物館の2階常設展示室では、上吉沢から産出したナウマンゾウ化石の臼歯を展示しています。ナウマンゾウは、約40万年前から2万年前まで、日本と中国に生息していたゾウの仲間です。その名前は、ドイツの地質学者であり、日本の近代地質学の基礎を築いた、エドムント・ナウマンにちなんでいます。ナウマンは「フォッサマグナ」という言葉を提唱した人物としても知られています。
博物館2階のナウマンゾウ歯化石は、10~20歳の比較的若い個体のものだったと考えられています。同じ場所からは、他にも、下顎(かがく)、首や胸の脊椎、すねの骨、肋骨(ろっこつ)が見つかっています。これらのナウマンゾウ化石は、いずれもおよそ8~9万年前のもので、神奈川県内で見つかっているナウマンゾウ化石の中では最も新しい時代のものです。
さらに、同じ地層からは、シカの仲間の臼歯、角片、首の脊椎、腕の骨、上腕骨なども多数産出しています。これらのことから、当時の上吉沢周辺は、大型の哺乳類が闊歩(かつぽ)する豊かな土地であったことが想像されます。
現在開催中の特別展「ゼロからの湘南地学入門」では、上吉沢から発見されたナウマンゾウのあごの化石を展示しています。ぜひご覧ください。
問い合わせ:博物館
【電話】33-5111
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