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[特集]駅前商店街で出店しませんか(1)

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神奈川県平塚市

◆地元・平塚で出店したい
◇にじいろランタン(明石町13-10)
トルコランプの光が優しくともり、コロンコロンと癒やしのBGMが流れる店内。にじいろランタンでは、好みのガラスパーツやビーズを選んで貼り付ける、トルコランプ作りなどを体験できる。自分だけの作品作りに没頭する時間はまさに非日常だ。
店主の太田恭代(やすよ)さんは「自分が大好きな物を、皆さんが楽しんでくれている姿を見られるのが本当にうれしいんです」とほほ笑む。

・好きとの出会い
太田さんとトルコランプの出会いは、以前、中東で暮らしていた時だった。文化も言語も違う異国での生活。始めの頃は、精神的に苦しい日々が続いていた。そんな日々を変えてくれたのが、たまたま訪れた店で購入した一つのトルコランプだった。「ランプの光を見ていると癒やされて、心が救われたんです」と当時を振り返る。
トルコランプに魅せられた太田さんは、日本に戻ってからトルコランプの作り方を学んだ。最初は趣味として楽しんでいたものの、自分でワークショップを開き、魅力を伝えたいという思いが、日に日に強まっていった。

・頼れる相談相手
実際にトルコランプを作ってから使ってもらうことで魅力を伝えたいと考えた太田さん。事業として始めるにはどうしたら……。悩んだ太田さんは、まず市産業振興課に足を運んだ。「市のさまざまな創業支援が分かり本当に良かったです。何より平塚商工会議所や中小企業診断士という相談先ができたのが、心強かったですね」。店を持つのか、会場を借りるのか、自宅でするのか……選択肢はいろいろあった。同会議所の助言で、令和5年1月から、まずはレンタルスペースでの体験会を始めることにした。約半年で、体験会は予約を取れない方が出るほどに。開催頻度を増やしてほしいという声も増えていった。「体験会は、毎回準備の負担が大きかったんです。お店を持とうと思えたのは、お客さんからのありがたい声がきっかけでした」。

◆気軽に来られる駅前で
「出店するなら地元の平塚市で、と決めていました」
物作り体験という事業をするに当たり、一期一会を大切にしたいと考えた太田さんは、市内外から気軽に訪れやすい駅前での出店を検討した。さらに、かねてお世話になっていた中小企業診断士の後押しもあり駅前の商店街での店舗探しを進めた。「立地や家賃、情報収集など、店舗選びが特に大変でした」と肩をすくめる。商店街をひとりで歩いて探すことに限界を感じていた矢先、条件が合う今の店舗を見つけた太田さん。「絶対にここでやりたいと思ったんです。商工会議所の支援はもちろん、商店街の先輩たちの応援に、本当に助けられました」。

・軌道に乗るまでの支援
昨年6月に出店を決めてから、創業支援セミナーへの参加や各種補助金の申請、店舗の改装など、怒濤(とう)の4カ月を過ごした太田さん。10月末、念願の店舗がオープンした。「正直、改装費補助と2年間の家賃補助がなかったら、出店には踏み切れなかったかもしれません」と話す。「多くの方にお店を知ってもらうために、今後はSNSでの広報活動にももっと力を入れていきます」と意気込みを語る。

・魅力的な個店の一つに
オープンから1年たち、市外から訪れる方も増えてきたそうだ。「都内近郊や箱根方面の観光帰りなど、湘南地域の観光の一つに選んでもらえることもあるんです」と笑顔を見せる。体験後には、平塚のおすすめのランチや観光地を聞かれることも多いとか。「体験がきっかけで平塚の良さを知ってもらう機会になるように、このまちをもっと知り紹介していきたいです」。
また、店舗選びのために商店街をたくさん歩き回る中で、新たな気づきもあったとか。「『こんなお店もあったんだ!』って、私自身、新しいお店を発見できて、とてもわくわくしたんです」と目を輝かせる。「トルコランプの魅力を知ってもらうと同時に、商店街を盛り上げる一助になれるように、商店街の皆さんと一緒に頑張っていきたいと思います」と声を弾ませた。

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