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自治体の皆さまへ

【特集】今から始める「終活」(2)

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神奈川県平塚市

■住み慣れたまちで安心して暮らせるように
◇地域で広める身近な支援
終活支援の周知のため、各高齢者よろず相談センターでは老人クラブや施設に向けて「終活講座」を開いています。伸生会が運営する同センターごてんでは、コロナ禍で中断していた講座を本年度から再開しました。10月21日の講座で、参加者に説明をする看護師の遠藤純子さんの手元には、新しいエンディングノート「わたしのノートVer2」。「全部書こう、と堅く考えなくて大丈夫です。家族や相続、医療、ペット……、自分が書きたいところからで良いんですよ」と呼び掛けていました。
同センターは講座での啓発だけではなく、ノートの書き方から、書いてみて出てきた困り事の相談まで、地域の方に寄り添ったサポートをしてくれます。しかし認知度が低いからか、終活支援を活用する方はあまりいないと、遠藤さんはごてんでの現状を話します。「ノートを渡すときに説明はしていますが、具体的な相談を受けたことは今までありませんでしたね」。さらにここ数年は、ノートを受け取りに来る方もほとんどいなかったそう。「終活自体を不謹慎と考える方もいます。自分や周りのために、人生観や死生観をまとめておくことの大切さを、身近で話せる私たちが伝えていかなければいけないと感じています」と背筋を伸ばします。認知症予防運動の講座を組み合わせるなど、参加者に少しでも興味を持って参加してもらえるように、講座の内容を工夫しています。
「自分が何に困っているかが分からなくても構いません。一人で考えずに、気軽に相談に来てくださいね」

◇終活講座に参加してみてどうでしたか?
市販のエンディングノートを気になって買ってはいたけれど、書く場所がいっぱいで、そのままだったの。でもいつ何があるか分からないから、考えておくのは大切よね。正月に家族とも話してみようと思います。

遠藤さんにはいつもお世話になっているけど、終活支援のことは知らなかったです。子どもたちは遠方にいるし、いろいろと考えないとね。今日もらった「わたしのノート」は、夫婦で考えて書いてみますね。

■ノートは終活の設計図
9月に発行された「わたしのノートVer2」。何をいつから始めたら良いのか分からない、という時に助けになってくれるアイテムです。新しいノートは、編集を鎌倉新書が担当しました。ノートを活用した終活のポイントや、平塚市との今後の展望などを、同社の高杉祐月(ゆつき)さんに聞きました。

人生や思い出を振り返りながら、自分の考えを整理できるノートです。「これまで」「いま」「これから」など、五つの章に分かれているので、気になるところから書いてみてください。終活の進め方や書き方のポイントも、始めに載せています。「わたしのノートVer2」は比較的書きやすい「これまで」を振り返る章から始まります。相続にも関わってくる家系図は意外と把握できていない方が多いです。相続は特にトラブルになりやすい項目なので、自分だけでなく、周りのためにも、家系図と相続人は確認しておきたい内容ですね。

◇託せる人に伝えましょう
自分の「いま」の情報を記録しておくことも大切です。かかりつけ医や常用薬、資産の他、大切な品物などは、万が一に備えて、家族や信頼できる人に共有しておきたい情報です。また、遺族からの遺品整理の相談も多いです。大切にしている品物の処分方法を考えて書き残したり、生前整理したりしておくことは、周囲の負担を減らすことにもつながります。
大切な個人情報が詰まったノートですが、しまい込んでしまっては意味がありません。これからを託せる人と一緒に見たり、保管場所を伝えたりしておきましょう。

◇ワンストップ支援で寄り添います
鎌倉新書では、相続・生前整理・墓など、終活で向き合う全ての情報を取り扱っているので、連続性のある支援ができます。40年間、終活に特化した企業として蓄積してきた情報量の多さも強みだと自負しています。
増加している一人暮らしの方への支援など、これからの平塚市を見据えた支援を提案し、市民の皆さんが利用できるサービスの質を高めていけたらと思います。実際に終活を考え始めると、直面する問題はさまざまです。普段、皆さんを身近で支える高齢者よろず相談センターに寄せられた声などをつないでもらい、市と一緒になって終活支援を進めていきます。
来年1月には、協定後、初めてとなる終活講座を開きます。講座を受けた後には、さまざまな分野のブースで相談もできます。漠然と悩んでいた事の方向性が見えるだけでも、気持ちがすっきりするのが終活です。ぜひ、イベントにお越しください。

問い合わせ:高齢福祉課
【電話】21-9621

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