◆トーナル岩
相模川の河原や大磯以西の海岸で、ごま塩を固めたような石が落ちているのを、ご覧になった方もいるのではないでしょうか。平塚周辺で拾えるこのような石はほとんどがトーナル岩と呼ばれる石です。
トーナル岩は白っぽい鉱物と、黒っぽい鉱物が集まってできている石です。その名前はイタリアのトナーレ峠に由来しています。トーナル岩はマグマが地下深くで何万年もかけてゆっくり冷え固まってできた石で、深成岩という種類に分類されます。墓石によく使われる御影石も、深成岩の一種である花か崗こう岩がんです。御影石という名前は、石材としての商品名のようなものです。トーナル岩は見た目も花崗岩とそっくりですが、石を作る白い鉱物のうちカリ長石(カリウムやアルミニウムが主成分の長石)をほとんど含まないことが特徴です。もっともカリ長石の有無を肉眼で区別することは不可能なのですが。
平塚周辺の河原や海岸にみられるトーナル岩は、主に丹沢山地からやってきたもので、特に西丹沢には広く分布しています。丹沢のトーナル岩は、火山島だった丹沢が約700万年前に本州に衝突したことに伴ってできた岩石と考えられており、その特殊なでき方から、神奈川県の「県の石」に指定されています。
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