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[特集]地域で活躍する防犯協会(1)

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神奈川県平塚市

近年、犯罪の手口は巧妙化し、私たちの生活に潜む危険が増えています。一人一人が防犯意識を持ち、危険を回避する力を持つことで、まち全体の防犯力が高まります。

「自転車盗難が多いんです。短時間でも鍵をしっかり掛けてくださいね」。1月10日、商業施設の買い物客に自転車盗難の注意を呼び掛ける、市防犯協会の皆さん。ボランティアで防犯の啓発活動をしている団体です。毎月10日の「防犯の日」に合わせ、警察や市と連携して商業施設などで特殊詐欺や自転車盗難などの防犯キャンペーンをしています。また年末年始特別警戒期間などに合わせた防犯パトロールや子どもの登下校時の見守り活動もしています。

・平塚市防犯協会
犯罪のない明るい社会の実現を目的に、昭和36年に発足。市内の自治会連合会単位を原則とし、26の支部があります。26の支部で支部長、防犯指導員、防犯女性部長、理事など総勢650人の支部員がいます。各種犯罪を未然に防ぐために、それぞれ地域の特性を生かして防犯意識の向上に取り組んでいます。

◆まちの安全のため
「地域に見守っている人がいることを知ってほしい」。市防犯協会会長の志村吉一(よしかず)さんは、優しく話し始めます。「このまちに住みたい・住み続けたいと思ってもらうには、『安心』を感じられることが大切だと思っています。私たちは皆さんが安心して暮らせるように、一人一人の防犯意識を高める活動をしています」。
同協会の防犯指導員部会では、毎月定例会を開き、犯罪情勢を共有したり、キャンペーン活動の企画を考えたりしています。令和6年は初の試みとして、秦野市の防犯指導員連絡会と協働で、東海大学湘南キャンパスで開かれた「TOKAI(トーカイ)グローカルフェスタ2024」に参加。「大学周辺では自転車盗難が多く、学生に効果的に周知できないか考えていたんです。広域での取り組みは活動の幅が広がるので、今後も連携を強化していきたいと考えています」と、防犯指導員部会長の宮代(みやだい)文夫さんは意気込みます。
女性部会では、痴漢撲滅キャンペーンなど、女性に向けた啓発活動もしています。女性部会長の和田規子(のりこ)さんは「人通りが少ない道や夜間などは、周囲を警戒すると同時に、緊急時に異常を知らせる防犯ブザーをかばんなどに見えるように付けることをおすすめします」と呼び掛けます。

◆コロナで生活に変化
令和2年まで、市内の刑法犯認知件数は減少傾向でしたが、社会経済活動が再開されると共にコロナ禍以前の件数に戻りつつあります(下グラフ)。志村さんは「新型コロナの流行をきっかけに、地域で顔の見える関係が薄れていることを危惧しています」と話します。さまざまなライフスタイルが広がり、外出しなくても仕事・食事・買い物などができるようになりました。「日常生活が便利になる一方で、地域の中で人の目が行き届かなくなると犯罪が起こりやすくなります」。

・市内刑法犯認知件数の推移
(令和6年は暫定値)

凶悪犯:殺人、強盗、不同意性交等、放火など
粗暴犯:暴行、傷害、脅迫、恐喝など

◆犯罪防止に地域の目
犯人は見られることや、声を掛けられることを嫌います。これに対して有効なのが「ながら防犯」です。買い物や洗濯物干し・取り込み、犬の散歩、ランニング・ウオーキングなどをしながら防犯の視点を持って地域に目を向けてみてください。異変や危険に気付いたら、警察などに情報を知らせることで、犯罪の発生防止につながります。「ながら防犯をする人が増えると、地域の防犯力が上がり、安心・安全につながります。また日頃からできる範囲でいいので、近所の方とあいさつを交わしてほしいです」と志村さん。「顔の見える関係ができていると、地域の情報を共有しやすくなり、いざという時に助け合える連帯感にもつながります」。普段の生活に少しだけ防犯意識を取り入れてみませんか。

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