■さまざまなサポートを受け、やりがいを感じる日々に
▼認知症になっているなんて思っていなかった
自営業で約40年クロス屋を営んでいた栁沼雅夫さん。物忘れや請け負った仕事の仕上がりが悪く依頼主へ損害賠償を支払うこともありました。妻の智恵美さんは「仕事熱心できれいに早く壁紙を貼る人だったのにおかしい」と異変を感じていたそうです。
▽雅夫さん
認知症になっているなんて思ってもいませんでした。早くこの状態を治したいと思い、妻が持ってきた病院のチラシを見て受診しました。アルツハイマー型認知症と言われましたがそもそも認知症がどんな病気かもその時は知りませんでした。
▼念のため。安心のために
病院に行くことにハードルが高いと感じる人もいる中、栁沼夫婦は積極的に行動していました。
▽智恵美さん
もし家族が病院に行くことを拒んでいたら、心配がないように病院に行ってみたら?安心のために行ってみない?とあまり改まらずに軽く話してあげると良いと思います。
▼肯定すること、何事も反対はしない
智恵美さんは認知症の雅夫さんに対して“どうしてこんなことになってしまったの”など負の感情を抱いたことはないそうです。
▽智恵美さん
孫たちもスーパーで手をつないでくれたりして優しいし、毎日ビデオ通話をしてくれたり協力的でよく理解してくれています。周りの協力があるから笑って過ごせるし、イライラしたこともありません。夫に対しては言葉を無視したり否定したりすることはしないように心掛けています。
▼必要な手続きがスムーズにできて助かった
家族の支えだけでなく、認知症に対する不安を和らげてくれる心強い存在がいました。また、早めに病院を受診することが今後の支援の鍵になります。
▽若年性認知症支援コーディネーター
若年性認知症の方やご家族が、スムーズに必要な支援を受けられるようサポートしています。
それぞれの状況に応じた情報提供やアドバイスをする心強い存在です。
▽智恵美さんいつ
何の手続きをしたらいいのか分からなかったし、知らないこともたくさんありました。若年性認知症支援コーディネーターに出会えたから、必要な申請や書類作成も助けてもらって本当にありがたいです。異変を感じてすぐに病院に行ったことが、申請や支援をスムーズに進めることにつながったと思います。今仕事をしているガンバワークさんも紹介してくれたので週5日働いています。
▼認知症でも働いています
雅夫さんは若年性認知症支援コーディネーターの紹介で就労継続支援B型事業所で週5日田んぼや畑で農作業をしています。
▽雅夫さん
野菜を育てる過程が面白いです。簡単にできると思っていたけど全然違いました。分からないことはたくさんあるけど美味しい野菜が食べられてやりがいを感じます。
▼ちょっとした工夫でいつも通りの日常生活
雅夫さんの日課は日めくりカレンダーをめくること。
生活の困り事もちょっとした工夫をして過ごしています。
▽雅夫さん
月のカレンダーのように数字がたくさん並んでいるとだんだん見えなくなってしまうので、孫が作った日めくりカレンダーで日付の確認をしています。できないときもあるけど毎日めくるようにしています。
▼「笑っているのが1番良いよね」夫婦で二人三脚
▽智恵美さん
病院で時計を描くテストをして、「12、13、14…」と描いたのを見たときは涙がでたけど、認知症になったからと言って何かが変わったことはありませんでした。いつも上着を着るときは、まず夫が着るのを黙って見守ります。その後に言葉で手助けをして最後に片腕だけ通すのを手伝います。
そんな日常も笑って過ごしています。笑っているのが1番良いよね。
市公式チャンネル(YouTube)で栁沼さんの日常動画を公開
担当:長寿支援課
【電話】046-252-7084【FAX】046-252-8238
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