海、港、緑、歴史、地域、人々、さまざまな魅力を持つ都市横浜。この街の彩りを「よこはま彩発見」としてお届けします。
今回は作家 荻野アンナさんが横浜橋通商店街(南区)を訪ねた模様を寄稿していただきました。
■「来て、見て、買った! 横浜橋通商店街」
作家 荻野 アンナ
初めてなのに懐かしい場所が商店街です。大根一本でも、八百屋の店先に置かれるとピカピカ輝いて見える。効率を求めるならスーパーでしょうが、モノとの対話、売り手との会話を楽しむなら商店街でしょう。
私は「買い者」を自称しています。横浜市の全区の商店街を巡りましたが、原点となっているのは横浜橋通商店街です。約350メートルの通りが、その二倍ほどにも感じられるのは、アーケードが遠近感を強調するからでしょう。中東のバザールのような、とは大げさでしょうか。
1928(昭和3)年から100年近い歴史を持つ横浜橋は、港湾労働者相手の露店に近い商売から始まりました。今も昔も変わらないのはその安さ。プロが買い出しに来るという噂もあります。私もレタス百円には思わず手が伸びました。
そしてこの街には企画力があります。最近では秋田の中学校から生徒が来て、踊りも披露しつつ、いぶりがっこなどの名産品を「物販」していきました。売上金はユニセフを通じて子ども達に寄付されました。年内には熊本県、来年には釧路の生徒も来る予定。
暮れといえば大売り出し。商店街が一番輝く季節です。横浜橋の他にも、市内には実力派が揃っています。ふらりと出かけてみませんか。
さらに詳しい話はウェブページをご覧ください。
ウェブ版では抽選で読者プレゼントあり
◇荻野 アンナ(おぎの あんな)
作家、慶應義塾大学名誉教授。1956年横浜生まれ。慶應義塾大学博士課程修了。ソルボンヌ大学博士号取得。1991年『背負い水』で芥川賞受賞。2001年『ホラ吹きアンリの冒険』で読売文学賞受賞。2008年『蟹と彼と私』で伊藤整文学賞受賞。近著は『老婦人マリアンヌ鈴木の部屋』。
問合せ:政策局広報課
【電話】045-671-2331【FAX】045-661-2351
<この記事についてアンケートにご協力ください。>