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よこはま彩(さい)発見(vol.24)

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神奈川県横浜市

海、港、緑、歴史、地域、人々、さまざまな魅力を持つ都市横浜。
この街の彩りを「よこはま彩発見」としてお届けします。
今回は写真家の森 日出夫さんに寄稿していただきました。

■海から、空から、記憶を記録する
写真家 森 日出夫

生まれ育った横浜の街を撮り続けて半世紀が経ちます。
海から、陸から、時には空からも撮影します。世の中の変化は早くて、昔からあった建物がなくなっていたり、風景が変わるとそこがどんな形でどんな色だったか思い出せなくなってしまう。
忘れ去られてしまう街や人の居た風景を残すのが私の日常です。好きな時間帯は明け方で、赤レンガ倉庫や大さん橋から見る港の朝焼けは光り輝いて美しく、希望を感じさせます。
働く人やジョギングをしている人たちも朝日を浴びてドラマチックな絵になります。
野毛や商店街も早朝に歩くとまた面白く、夜のザワザワとした喧噪がリセットされ、新しい一日が始まる予感を浴びながらシャッターを押すと昨日とは全く違う表情が写っています。
写真はヘリコプターで上空から撮影した長年気になっていた「扇島」の製鉄所です。
許可を得るまで時間がかかりましたが、どうしても撮りたかった場所でした。
失って初めて存在の大きさに気付くことがわかっていたからです。まさに休止される一歩手前でした。
第2高炉の火が消える瞬間まで記録することができました。
稼働が止まる夜中の3時頃、働いていた人たちの目に涙が溢れていたあの瞬間が忘れられません。

◇森 日出夫(もり ひでお)
写真家。1947年、横浜市生まれ。
JPS(日本写真家協会)所属。
長年撮り続けた横浜の港・街・人を「森の観測」と名付け、それらの作品を写真集や個展に多数発表。
1996年、ニューヨークADC MERIT AWARD受賞。2001年、横浜文化賞奨励賞受賞。
ウェブ版では抽選で読者プレゼントあり

問合せ:政策経営局広報課
【電話】045-671-2331【FAX】045-661-2351

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