◆都筑区の仏像調査
横浜市歴史博物館 花澤明優美(はなざわあゆみ)
横浜市では昭和50年(1975)に「横浜市文化財現況調査団」が発足し、市内各区を対象として仏像彫刻をふくむ文化財の体系的な総合調査が始められます。その成果は『横浜の文化財―横浜市文化財総合調査概報―』として刊行が続いています。この『調査概報』では現在まで約2,000軀(く)の仏像が報告されており、そのうち都筑区の仏像は121軀です。『調査概報』掲載のうち、都筑区でとくに古い清林寺菩薩像(せいりんじぼさつぞう)(平安時代12世紀)と心行寺十一面観音菩薩像(しんぎょうじじゅういちめんかんのんぼさつぞう)(鎌倉時代12世紀末~13世紀初頭)はすでにこの連載でご紹介しましたが、大半は江戸時代に造られた像で、ほとけの種類も多様です。写真のような“閻魔(えんま)様”もいわゆる「仏像」の一種として報告されています。閻魔王をあらわした絵画や彫刻は古くから寺院で祀(まつ)られ、区内でも江戸期の像が3か寺で調査されています。2月8日(土)から横浜市歴史博物館ではじまる企画展「仏像入門展」では、このようなさまざまな種類の「仏像」を紹介します。
問合せ:横浜市歴史博物館
【電話】912-7777【FAX】912-7781
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