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11月19日は「世界トイレの日」 見えないところで働く「下水道」の役割

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神奈川県 横須賀市

■世界にはトイレを使えない環境がある
世界では約20億人(世界人口の26%)が、トイレを使える環境になく、バケツやビニール袋に排せつしたり、屋外で排せつしたりせざるを得ません。それにより、排せつ物に含まれる細菌が体内に侵入し、子どもなどたくさんの人が命を落としています。このようなトイレにまつわる問題を考え、改善していくことを目的に、国際連合は世界トイレサミットが行われた11月19日を「世界トイレの日」として定めています。
普段から何気なく使っているトイレ。私たちが命の危機にさらされずに使用できることは、実はとても恵まれていることなのかもしれません。
出典:ユニセフHP「世界トイレの日プロジェクト」

■絶えず管理されている、道路下の「下水道」
安全にトイレを使う上で大きな役割を果たしているのが、「下水道」です。トイレから排出された汚水は、即座に道路下にある下水道管に流れ込み、ポンプ場を通って浄化センターへ運ばれます。この一連の動きによって、害虫や悪臭の発生を防ぐと共に街の清潔さが保たれ、病気の拡大が防がれています。
また、本市の下水道管を全てつなげると1,629kmもの長さになります。数字だけで見ると想像するのが難しいかもしれませんが、これは日本列島の半分に及ぶ距離です。この膨大な下水道管が破損することなどがないように、カメラを使った点検・調査や、古くなった管の計画的な交換や長寿命化など、汚水を浄化センターまでしっかり届けるため、毎日管理を行っています。

■浄化センターの役割
下水道管で運ばれた汚水をきれいにする浄化センターでは、滞りなく処理をするために設備の管理・維持の他、微生物の管理も行っています。なぜ微生物?と思うかもしれませんが、微生物には汚水に含まれている汚れを食べる働きがあり、水をきれいにするには不可欠なのです。
下町浄化センター職員の水野さんは、「水道だけでなく、下水道も365日24時間稼働し続ける必要があります。これを維持するために浄化センターの職員、委託業者が一緒になり、適正な処理ができているかを常に管理しています。汚水の質は家庭からの排水や天候によって毎日変わるため、普段から微生物の状態を適切に保つ必要があり、これがなかなか大変です。また、設備の不具合により、タンクからあふれてしまった汚物を職員によるバケツリレーでしのいだこともありました」と日々の様子を話した後、こう続けました。
「下水の処理に従事できることはとてもやりがいがあり、市民の皆さんの役に立っている仕事だなと感じています。『インフラとして、当たり前の生活ができるという最低限を保つこと』これこそが最大の命題です。今後も快適な環境を提供するために尽力していきたいです。」

■知ることで変わる
今回紹介した内容は、下水道の働きのほんの一部ですが、安全な水とトイレは、普段目に見えない部分で成り立っているということが分かります。
衛生的なトイレを保つために、日々清掃活動をしている人はもちろんのこと、こうした仕組みを知ることで今まで以上にきれいに使えそうな気がしませんか。

■下水道がなくても衛生的 猿島のエコトイレ
猿島には下水道がありませんが、観光で訪れた人も安全にトイレを利用できる環境が不可欠です。そのため、汚水を微生物やカキ殻の力できれいに浄化し、便器の洗浄水として繰り返し再利用する「エコトイレ」が稼働しています。

■本市で行っているトイレに関する取り組み
「世界トイレの日」に合わせて、市ではさまざまな取り組みを行っています。この機会に企画展示などを通じて、トイレへの理解をさらに深めてみませんか。

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