「よかった、ありがとう」
横須賀市長 上地克明
6月の第三日曜日は、「父の日」だった。思えば、幼い頃の我が家は、特別な食事をする訳でもなく、プレゼントも用意しなかった。学校の先生からも、「明日は、父の日だから、『お父さん、ありがとう!』と、言いましょう」などと言われた記憶もないし、言われたとしても、頑固一徹な親父に反発しか感じていなかったから、「ありがとうなんて言えるか」という感じだったろう。
調べてみると、「父の日」は、日本では、1980年頃から広まった風習らしいが、結婚してから、毎年妻が両家の父にプレゼントを届けるのを見て、世の中には、そんな習慣があったのかと、ビックリしたのだった。
父が亡くなって11年になり、今思うと、「ありがとう」の一言くらい言っておけばよかったと後悔しているが、まさに、「孝行したい時に、親はなし」。
親父のことだから「よかった、ありがとう」を提唱している私を、あの世で嘲笑ってるだろうな。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>