文字サイズ
自治体の皆さまへ

〔幾年過ぎても、尽きぬ〕Rock Mind(4)

5/21

神奈川県 横須賀市

■〔Chapter4〕聖地は創るもの原動力は、揺るがぬ横須賀愛
YKKK(横須賀かってに観光協会)
代表 小澤智史さん

Profile:長井生まれ。東京都町田市在住。
小学校で教壇に立つ傍ら、横須賀に特化した同人誌を執筆し、即売会も運営。オタク歴も四半世紀と本人談。

11月某日、汐入駅前にある産業交流プラザの一室は、横須賀愛で満ち溢れていた。テーマを横須賀に特化した同人誌即売会「スカこれ!~横須賀これくしょん~」の会場である。主催するのは、横須賀市出身の小澤さん。記念すべき10回目を迎える。イベント運営の傍ら、自身も横須賀の魅力を紹介する冊子を頒布。これまでの作品数は、約20冊にのぼる。

◇叫ぶ、横須賀愛
「同人誌即売会」とは、同じ趣味や志向を持つ人同士(サークル)が、自費制作した冊子を出展するイベントを指す。年に2回、東京で開催される「コミックマーケット」(通称 コミケ)は世界最大規模と言われている。小澤さんはこれまで、コミケでの出展を通じ、多くの来場者に「横須賀愛」を伝えてきた。「ただ、コミケの一番の魅力は、会場にいる全員が互いを尊重し合う空間」。それゆえ、横須賀にその空間を創ることを目指し、一緒に横須賀愛を叫ぶことができる場を立ち上げた。「規模は小さいが、なんとかここまで来ることができた」と笑顔を見せる。

◇聖地を追い風に
「スカこれ!」の会場には、種々さまざまの作品が並ぶ。参加者は、性別や年齢を超え、横須賀を愛する気持ちでつながっている。愛媛県松山市から訪れた人、御家人を彷彿させる出で立ちの人なども入り混じる。そこからは、誰もが互いの存在を認め合い、尊重し合う空間ということが、十二分に感じられた。会場が盛り上がりを見せる中、小澤さんは「聖地」について想いを巡らせていた。ここで言う「聖地」とは、アニメや漫画の作品の舞台となった特別な場所を指す。最近は「横須賀が聖地のヒット作品が少ない」という。「みんなで育ててきた空間」に起こる、更なる追い風に期待を募らせた。

◇仲間と描く未来
日本の漫画やアニメは、今や、世界から関心を集める文化の一つ。小澤さんは、まだ見ぬ同志、若い世代へエールを送る。「応援してくれる仲間の存在があったからこそ、誇りを持って、この活動を続けることができた。自分の想いを貫くことで、同じ志を持つ仲間にきっと出会える。これからの若い人たちにはそれを信じて、チャレンジし続けてほしい」
仲間と育む横須賀愛は、25年後も変わらずにあるのだろう。「『スカこれ!』が聖地・横須賀を世界に発信する存在になってほしい」と2050年の未来に希望を抱く。「聖地は与えられるものではなく、創るもの」と話す小澤さんの姿に、無限の横須賀愛と揺るがぬ信念が見えた。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU