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自治体の皆さまへ

箱根八里 日本遺産再認定!(2)

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神奈川県箱根町

■インタビュー
箱根八里の魅力を発信し、次世代に繋いでいくために活動している方々にお話を聞きました。

◎箱根DMO専務理事 箱根八里推進協議会 幹事 佐藤守
◇江戸時代からの歴史・魅力の「継続した魅力発信」を。
《本物の江戸時代を感じられる。》
箱根DMOでは、住民の皆様へのマイナス影響を極小化するために、「観光客が多く来る時と少ない時の差を埋める事」を日々研究しています。
観光客の多くは、人気の観光スポットや施設、関係する駅周辺などに集中しがちで、それが混雑に繋がっていることをデータで明らかにして来ました。そういった課題を解決するために、地元の多くの皆さまが長年大切にして来られた魅力満載の日本遺産「箱根八里旧東海道」の活用に行きつきました。
「箱根八里旧東海道」は、石畳や甘酒茶屋など、江戸時代から残っている“そのもの”を感じることが出来ます。日本遺産の多くは、歴史はあっても“そのもの”ではなく、復元されたものが意外と多く、箱根八里の東坂石畳のように、江戸時代の石がそのまま残っている、つまりは本物の江戸時代を感じられるようなところは意外と多くはありません。東海道や箱根関所に関しては、日本の多くの学校の授業で習うので知ってる方も多いと思いますが、実際に来てもらうことで、江戸時代の雰囲気をそのまま感じていただき、当時に想いを馳せる、想像できる。そういった体験を魅力に思う方は、若い世代であっても意外と多いのではないかと思います。

《町民の皆さんも、もう1度足を運んでみて欲しい》
6年前に初めて日本遺産に認定されてから、今回で2回目の認定を獲得できました。次の認定は3年後になりますが、箱根八里街道推進協議会では、継続に向けて大切な事は、「継続した魅力発信」だと考えています。
何か特別なことをする必要はなく、すでにある江戸時代からの歴史を、魅力を、絶やすことなく観光客の皆さんに、そして後世に広く伝え続けていきたいと考えています。そこで箱根住民の皆さんにお願いしたいのは、もし子どもの時から長年来られていないのであれば、是非石畳を歩いていただきたいのです。子どもの時に感じた空気と違う感覚を是非とも感じていただきたいのです。
箱根住民の皆様には、その気持ちをぜひ大切にしてほしいと思っていますし、私たちも観光客の皆さんに伝えて続けていきたいと思っています。

◇行ってほしい!おススメ!スポット
《しっとりとした「石畳」》
夏場で雨が降っていてしっとりとしたマイナスイオンがたくさん感じられる雰囲気が晴れている時よりも好きです。
足場に気を付けてぜひ行ってください。

◎生涯学習課 郷土資料館 館長 鈴木康弘
◇箱根八里を宝物として一緒に守り活用していきたい。
《魅力を広く伝える活動を》
箱根旧街道は、東海道最大の難所として知られ、石畳をはじめ、多くの歴史遺構が現存する貴重な空間です。多様な旅人が往来し、道中の名所や景色を楽しんだドラマを思い浮かべながら歩くことで、当時の旅を追体験できます。
特に、箱根越えのルートは現在も小田原から三島まで歩くことができ、旅の厳しさや楽しさを現代に伝える文化遺産となっています。
そんな魅力が詰まった箱根八里をはじめとする歴史遺産や文化を、私はこれまで広く伝える活動を行ってきました。具体的には、
1.現地体験型の学び
見学会や「わらじ作りと箱根旧街道歩き」などを通じ、歴史や文化を直接体験できる機会を提供。特に子どもたちへの教育プログラムとして、わらじを履いて旧街道を歩く活動は学校教育に位置づけられています。
2.知識の普及とガイド育成
HAKONE大学や自治学習講座などでの講義やガイド育成講座での指導を通じ、箱根を語れる人を増やす活動を支援。
3.出版・資料提供
「箱根叢書」や「ワンコインシリーズ」などの刊行物を通じ、箱根八里の魅力を発信することで訪問者が歴史散策をより深く楽しめるようにしています。
4.史跡の保全活動
ボランティアと共に草刈りや修復作業を行い、石畳や杉並木の維持管理を実施し、歴史遺産への愛着と理解を深める機会を増やしています。

《みんなで守る、未来へつなぐ箱根八里》
日本遺産「箱根八里」は、町や行政だけでなく、4市町が一体となり、地域活性化に活かすべき貴重な歴史遺産です。そのため、住民が自分たちの宝物として守り、活用してほしいですが、文化財保護への参加が難しいと感じられる背景には、わかりづらい許可制やそれに対する説明不足があります。この課題を解決するため、現在では職員がボランティア作業に立ち会い、適切な作業範囲を説明しながら維持活動を実施していますので、気軽に参加し、史跡への理解と関心を深めていただきたいと考えています。今後も少しでも多くの方々に史跡の仲間となりみんなで守ろうという機運を高めることができればいいなと思っています。

◇行ってほしい!おススメ!スポット
《400年続く「甘酒茶屋」》
ここの甘酒とお餅は、実際に箱根八里の厳しい山道を歩いてから尋ねると、一段と味わい深い。ご主人の山本さんのおもてなしも、今や街道の名物といえるかも。人と甘酒との触れ合いが楽しい、箱根八里のおすすめスポットです。

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