100人いれば、100通りある終活。
実際に終活を行っている人、また、親に終活を勧めた人に話を聞きました。
◆お一人様の終活
山﨑徳次郎さん(久木)
▽一人になったことで、自分事になった終活
「7年前に妻が他界し、2人の息子とは離れて暮らしているので、一人暮らしに。自分一人になり、終活を意識し始めました」と話す山﨑さん。まずは、自宅の不動産についての遺言作成を信託銀行にお願いしました。また、もし自宅で倒れても気付いてもらえるように、警備会社の見守りサービスも導入。新聞など、もしものときはすぐに止めてほしい契約はリストにして、冷蔵庫の扉に貼り付けています。自宅の物や複数あった銀行口座も整理しました。
その後、ずしエンディングノートを知り、記入を始めました。「終活に関わる全てのことを、このノートで整理できました。私に何かあったときはこのノートを見てほしいと、息子2人に保管場所を伝えています。今は、パソコンを開くにもパスワードが必要な時代。いざというとき家族が困らないように、細かいことも記録に残しておきたいです」
また、終活情報登録も利用。「市が提供しているサービスを、利用しない手はないです」と笑います。
住民自治協議会やズシップ連合会など、さまざまな活動に参加する山﨑さん。「特に手話が面白くて、聴覚障がいの人に教わっています。また、コーラスグループで歌を歌うことも楽しいです」
興味があることに取り組み、充実した日々を過ごしています。
◆親に勧めた終活
大塚広美さん(小坪)
▽相手をよく見て、適切な距離感で
義理の両親と離れて暮らす大塚さんは、定年のプレゼントとしてエンディングノートを義父に渡しました。「義母は会話の中で必要な情報を教えてくれますが、義父は寡黙な人で、人生のことなど重い話を直接話すのは苦手なタイプ。当時多くのテレビ番組で終活が特集されていたので、休みの日にテレビをよく見る父には、私が詳しく説明するよりもエンディングノートを渡して『テレビを参考にしてみて』と伝えた方が良いと考えました」と語ります。
終活を勧めた時には驚かれたものの、義理の両親との関係性はより良くなったそう。「こちらからノートの記載内容などについて深追いはしていません。今までの関係性や性格に応じて、互いに適切な距離を持つことが大切だと思います」
◆伝えよう、話し合おう もしものときのこと
▽自分らしく生ききるための話し合い「人生会議」
逗葉地域在宅医療・介護連携相談室室長
大門幸代さん(看護師)
誰もが住み慣れた地域で、自分の意思を尊重しながら生ききることができる。そのために、自分は最期まで何を大切にしたいか、どのような医療や介護を希望するかを考え、家族や医療従事者などとあらかじめ話し合うことを「人生会議」といいます。
すぐに結論が出なくても、気持ちが変わっても、普段の何気ない会話の中でも構いません。繰り返し対話を積み重ねることで、家族など自分を支えてくれる人たちに、自分の希望を理解してもらうことが大切です。その結果、もしも自分の意思が伝えられなくなったとき、本人の希望に沿った医療やケアにつながります。ぜひ、自分の思いや希望は、周りに伝えていってください。
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