身の回りの人々や地域の環境、そして自分自身を信じ認めて前向きに生きる市民に、このまちで生きる意味を聞きました。
■今日も元気にみんなで体操
第一運動公園 朝の体操発起人
原田 義男さん
毎朝、第一運動公園では、原田さんを中心に20人以上が集まり体操が行われている。グループ名はなく、名前や連絡先の登録、出欠連絡も必要ない。そんな朝の体操は、30年以上続いている。
▽自然に広がった体操の輪
“第一運動公園のバスケットボールコートで、夏は6時15分、冬は6時30分から”。決まっていることはそれだけで、いつでも誰でも参加できる。原田さんと知人の世間話から始まった体操は、ラジオ体操とメンバーで考案したオリジナル体操を20分間たっぷり行う。口づてや犬の散歩中の人に広まり、多い日は40人ほど集まることも。
「起きるのが辛い日もあるけれど、みんなに会って体操をすると元気になり、帰宅後の朝食をおいしく食べられる。一人では続けられなかった。参加してくれる皆さんのおかげです」
▽詩吟がもたらした思わぬ効果
体操と同じく、詩吟も30年以上続ける原田さん。師範の免許を取得し現在も弟子に指導を行う。「声がいいからと、妻に勧められて始めました。思いがけない出会いでしたが、今では詩吟も元気の源」と話す。
足を踏ん張り腹の底から声を出す詩吟の発声法は、体操のときの掛け声に役立つそうだ。「『声が響いて聞き取りやすい』と好評です」。もちろん逆も然り。日々、体操で健やかな体を保ち、詩吟の稽古に励んでいる。
▽これからも、いつもの日々を大切に
親しくなったメンバーとは、何気ない会話が発展して遠足や旅行に行くことも。「体操で自分の体の状態が分かるし、自信もつくから遠出ができる」と、毎朝の体操が健康のバロメーターになっている。
「春は公園の桜、秋は紅葉の山並み。体操をしながら見られる四季折々の景色が美しい。逗子はすてきな場所だと実感します」。スマートフォンで撮影した風景を、離れて暮らす娘に送るのも楽しみの一つという。
「みんなで元気に体操をして、おしゃべりしながら帰宅する。これからも、そんな一日一日を大切にしていきたい」とほほえむ。
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