2024年あわら市10大ニュースの1位に輝いた「北陸新幹線芦原温泉駅開業」。実際に街の人は新幹線がもたらした街や暮らしの変化をどのように感じているのでしょうか。市内の方々や観光客の皆さんにインタビューし、ありのままの声をお届けします。読者の皆さんもぜひ、あわら市での1年を振り返ってみてください。
■芦原温泉駅
西日本旅客鉄道株式会社芦原温泉駅長 中沖慶祐さん
北陸新幹線芦原温泉駅の開業で、観光やビジネスで県外から訪れる方が増えました。乗り換えが増えた関西からの利用者も、大きく減少した印象はなく、関東・関西どちらからのお客様にもバランスよく利用していただいています。今年10月に着任しましたが、外国人旅行者が少ない点が気になります。加賀温泉駅には多くの外国人が訪れていると聞くので、今後は行政や市内の事業者と連携し、あわら市の魅力をさらに発信したいと考えています。
■市内企業
株式会社SHINDO 藤田和行さん
定期的に関西方面に出張していて、敦賀駅での乗り換えはメディアで目にするようにありますが、時短になるので仕事では気に入っています。関東方面は、空港よりも駅の方が自宅からの距離が近いので新幹線を選んでいます。今年4月から福井勤務に戻りましたが、駅舎や駅前がとても綺麗になっていて驚きました。アフレアで行われるイベントも面白い企画が多いと感じています。駅名に温泉がついているので、駅と温泉街が一体で充実すると良いと思います。
■観光客
長野県から観光に来た掛川さん夫妻
今年3月に北陸新幹線金沢-敦賀間開業のニュースを見て福井県に行ってみたいと思い、1泊2日であわら温泉に宿泊しました。恐竜博物館や東尋坊を訪れる際に公共交通機関を使う予定でしたが、思った以上に厳しいと感じ、駅前でレンタカーを借りました。以前から興味のあった恐竜博物館は大変楽しく、東尋坊の景色にも感動しました。旅館のお風呂がとても良かったですが、ご飯は特に美味しかったです。充実した福井旅行になりました。
■アフレア
一般社団法人アフレア施設長 笹井和弥さん
観光客や出張で来たビジネスマンが2階の待合スペースで過ごす姿がよく見られます。特に関東からの観光客が増え、レンタサイクル利用者の多くも関東の方です。アフレアのイベント来場者数は、令和5年度が8万5,000人、令和6年度は10万人を見込むほど好調で、「こんな素敵な場所があったのですね」といった声も寄せられています。駅前の空き店舗が目立つため、アフレアに訪れた方が街歩きできる仕掛けを金津の街中に広げたいと考えています。
■飲食店(温泉街)
中華飯店maru 丸山友規さん
新幹線開業前は、大阪や名古屋からの観光客が週末に多く来店していましたが、開業後は関西・中京方面のお客様が減った印象です。一方で千葉や神奈川など関東方面から初めて福井に来られるお客様が増え、新幹線によるプラスの効果もあります。新しく駅前にできたホテルの宿泊客が屋台村まで食事に来ることも増えましたが、芦原温泉駅から温泉街までのアクセスが十分ではないと感じています。この点が改善されればリピーターも増え、あわら温泉の評判も上がると思います。
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