地域力創造アドバイザー 堅達京子(げんだつきょうこ)さん
2024年は世界の平均気温が産業革命前から1.6℃上昇し、単年度として初めて、国際合意した気温上昇抑制目標の1.5℃を超えてしまいました。地球温暖化対策は待ったなしです。地球温暖化対策に一番効果があるのは、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換です。世界では、2030年までに再エネを3倍に増やそうとしています。
実は、あわら市には再エネ100%で操業している工場があります。電子部品メーカーの金津村田製作所です。工場の屋上や建物のひさし、敷地内の駐車場などに設置した太陽光パネルで発電するとともに、産業用蓄電池を使って充放電を最適化する運転制御システムを使用しています。
私も現地を視察しましたが、蓄電池にはかわいい恐竜の絵が書いてあります。近隣の子どもたちも見学に訪れ、環境教育にも良いですね。この工場の再エネ活用は、社会科の教科書の副読本にも掲載され、日本の製造業の中でも注目されています。あわら市の誇りですね!
トランプ政権が発足し、脱炭素の政策は進まないのではないかとの声もありますが、ビジネス界の動きは止まりません。例えば、欧米系企業の中には、これからは取引先の全てに再エネ100%での生産を義務付けると発表しているところもあります。もはや再エネで作った製品しか流通できない時代に突入しようとしているのです。
北陸は雪が多く、太陽光の導入は難しいと考えている人もいるかもしれませんが、いろんな対策を講じれば雪国でも十分使えます。また、メガソーラーは自然破壊につながるのではないかとの懸念もありますが、この工場のように、まずは建物や駐車場への設置が最も効果的です。そして、非常用の電源としても有効ですから、災害対策と合わせるといいですね。さらには、ソーラーシェアリングという営農型の太陽光発電も地域創生に役立ちます。皆さんであわら市の再エネ増加作戦、考えてみませんか。
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