文字サイズ
自治体の皆さまへ

JCHOコラム

9/14

福井県勝山市

■間欠性跛行(かんけつせいはこう)
福井勝山総合病院
副院長兼整形外科診療部長 北野慎治

間欠性跛行とは「一定時間の歩行により下肢症状(下肢の痛み・しびれ・だるさなど)のために歩行困難になる(休憩後に再び歩行が可能となる)」状態のことです。この間欠性跛行は血管性疾患によるものと神経性疾患によるものに大別されます。

(1)血管性間欠性跛行
閉塞性動脈硬化症や閉塞性血栓血管炎などの末梢動脈疾患(peripheral arterial disease:PAD)によるもの。下肢動脈の狭窄・閉塞が運動時の酸素・エネルギー供給不足を引き起こし、下肢筋肉痛が生じます。

(2)神経性間欠性跛行
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)(Lumberspinal stenosis:LSS)によるもの。骨や軟部組織が腰椎神経を圧迫することで神経血流障害がおこり、下肢痛・だるさ・しびれが生じます。

(3)PADとLSSの合併
両者の合併例が約10%との報告があります。
PADは循環器内科や血管外科、LSSは主に整形外科が専門科となります。
どちらを受診すればよいか迷う場合、簡単な見分け方をお伝えいたします。
それは、「姿勢による症状の変化があるかどうか」です。
腰部脊柱管は腰を前屈すると広くなるという特徴があります。

◇LSSの場合
休憩時に腰を丸める(前屈やしゃがみ込み)ことで下肢痛が軽減する。自転車や手押し車歩行では下肢痛が出現しにくい。

◇PADの場合
腰を曲げなくても運動を休めば下肢痛は軽減する。自転車や手押し車歩行でも下肢痛が生じる。
この見分け方は非常に簡単ですので、ぜひ参考になさってください。
PAD・LSSの治療は生活習慣の見直し・内服薬などの保存治療から手術治療まで様々な治療があります。
間欠性跛行が気になる場合には医療機関でご相談ください。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU