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自治体の皆さまへ

【特集】ネクスト ジオパーク〜気づきを次世代へ〜(1)

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福井県勝山市

■NATIONAL GEOPARK~DINOSAUR VALLEY FUKUI KATSUYAMA GEOPARK~
ジオパークの魅力は
「ジオパーク」という視点を通して
地域を見たときに
その地域の解像度が大きくなることだ
普段見慣れた風景の中に
今まで知らなかった「気づき」が隠れている

■「恐竜はどこにいたのか? 大地が動き、大陸から勝山へ」
勝山市のジオパーク「恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク」は、平成21年に「恐竜はどこにいたのか?大地が動き、大陸から勝山へ」をテーマに、日本ジオパークに認定されました。
恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークは、恐竜が大陸で生きていた時代から、勝山で恐竜化石として発見されるまでの間の地球活動の遺産や人々の暮らしぶりなどを訪れる方が目で見て、肌で感じる事ができる大地の博物館を目指して、活動してきました。

◇ジオパークを楽しむための環境が整ってきた
これまで、ジオパークの普及を目指して、ジオサイトなどの説明看板の設置や市民向けの講演会、自然観察会などを開催してきました。また、地域と学校、研究機関などが連携して、学校教育の中でジオパーク学習にも取り組んでいます。
これらの活動は、ジオパークという視点を通して地域を見る力を養うことにつながる活動です。

◇「ジオパーク」の視点を持つ人々を増やす
しかし、ジオパークという視点を通して地域を見る力を持つ市民の方がまだまだ少なく「ジオパークって何?」「難しそうでよくわからない」など、ジオパークの魅力が知られていません。
ジオパークの視点を持つと、普段見えている風景が違って見えたり、地域のことを深く知ることができたりします。この楽しさをより多くの人と分かち合っていきたいと考えています。

◇次世代へつなぐ大切さ
ジオパークの視点で気づいた地域の資源や環境を地域で守り、教育や観光などに活用し、将来へ引き継いで行くことは持続可能なまちづくりにつながっていきます。
次の世代に向けたジオパークへ。ジオパークの魅力とこれからの活動について紹介します。

・商工文化課 町 主査(学芸員)
「ジオパークの視点?と思われた皆さまのために、私が開発した「ジオパーク眼鏡」を使って、ジオパークの視点で見たときに見えてくる世界(気づき)を少しご紹介します。
普段見慣れた風景がどのように変わってくるのか。ぜひご一読ください。」
ジオパーク眼鏡:ただの石も「ジオパーク眼鏡」を通してみれば、〇〇〇がみえてくる。

◇恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークのあゆみ
平成21年(2009):「恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク」が日本ジオパークに認定
平成25年(2013):再認定審査※⇒条件付き再認定(2年後に再認定審査)
平成27年(2015):再認定審査⇒再認定
令和元年(2019):再認定審査⇒再認定
令和5年(2023):再認定審査
※4年に1度日本ジオパーク委員会によって地質遺産の保全や活用の取り組み、普及活動などが審査されます

■大地の博物館(ジオパーク)の楽しみ方をジオパーク眼鏡で見てみよう‼
◇谷のブナ林(北谷町谷区)~自然を楽しむ
谷集落の裏山に位置する谷のブナ林は豊かな生態系を育む森であると同時に、雪深い山間地域で暮らすための大きな役割が隠れている。冬には積雪が2メートルにも達するこの集落にあるブナ林は、なだれの発生を防いだり、勢いを弱めたりするための保安林として、伐採が禁止され、大切に守られてきたのだ。
大地の博物館は四季折々、さまざまな姿を見せてくれる。別の季節に訪れて、その四季の変化を感じるのもジオパークの楽しみ方の一つだ。

◇大矢谷白山神社の巨大岩塊(平泉寺町大矢谷区)~景観を楽しむ
巨大な岩が横たわるある意味”異様な”光景を見ることができるのがこの場所だ。写真で見ただけでも大きさが伝わるかもしれないが、実際に訪れてみると、より迫力を感じられるだろう。そして、多くの人がなぜここに大岩?という疑問を持つだろう。その答えをくれるのがジオパーク。この大岩もかつての大地の活動がもたらした産物なのだ。
この場所からは平安時代の須恵器(すえき)が見つかっており、昔の人々もこの大きな岩を不思議に思い、祭礼を行っていたことがうかがい知ることができる。

◇勝山水菜(北市区、村岡町郡区)~食を楽しむ
地域の伝統食材や伝統食は、その地域の気候や土壌に適応したものだ。その気候や土壌を形作ったのは、紛れもなく大地の活動なのだ。
このような文化の多様性の背景にも大地の活動がある。文化の多様性を守って次世代へ引き継いで行くことも大地の博物館の重要な活動だ。

◇絹織物(ゆめおーれ勝山(力織機))~産業を振り返る
勝山の絹織物の発展に、深い関係があるのが湿度、そして河川と雪だ。
乾燥すると切れやすい絹の糸だが、高い湿度が高品質の羽二重生産に優位に働いたのだ。
また北陸地方は冬に雨ではなく雪が降る。冬に降った雪は、雪解けによって徐々に河川へと流れていく。このような河川は、年間を通じて比較的流量が安定しており、水力発電に向いている。
滝波川にあった中尾発電所は、福井県で2番目につくられた水力発電所である。このおかげで、勝山の織物業は、明治時代のおわりごろの較的早い段階から機械化することができ、中心的産業として発展した。

◇越前甲からの風景(野向町)~風景を楽しむ
トレッキングやスノーシューなどのアクティビティで、見晴らしのよい所まで行くと普段と違った角度から勝山の町を眺めることができる。そこから見られる山も谷も川も平野も地球が長い時間をかけて作り上げた「作品」だ。
その地球の作品を人々が利用してきた。山の上に城を築いたり、平野で農耕を行ったり、川で釣りをしたり。
ジオパーク眼鏡を通すと人と地球のつながりがよく分かる。

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