【2】これからの農業
■農地の集積・集約化
勝山市の農業が抱える「高齢化」「担い手不足」そして「耕作放棄地の増加」といった課題は、日本の農業全体が抱える課題でもあり、長い間指摘され続け、様々な政策を行ってきたにもかかわらず未だ改善が見られません。
農家の「高齢化」や「担い手不足」問題が慢性化するなか、農地の集積・集約化による効率的で安定的な農業経営を目指す必要があります。勝山市においても、個人の農業者は減少していますが、団体や法人は増加しています。今後、農地中間管理機構などを活用したさらなる農地の集積・集約化を促進する必要があります。
■スマート農業の推進
少ない農業者で効率よく作業をするためには、ICT技術や農業用ロボットなどを活用したスマート農業を推進することも必要になってきます。
市内でも、ドローンによる肥料散布やトラクターや田植え機などの自動走行農機を活用して、農作業の大幅な省力化に挑戦している事例があります。また施設園芸では温度や湿度などを管理し、作物の成育を調節する環境制御システムを導入している事例もあります。
■次世代の担い手
農業がおかれた厳しい環境の中においても、若手農業者が集まり新しい取り組みを始めようとしています。令和3年に農業のイメージアップに向け立ち上がった「勝山農業男子・農業女子応援プロジェクト」。プロジェクトに参加したメンバーがこれまでの活動から更に幅を広げようと新しい団体を立ち上げました。次ページからは、次世代の農業を担う若手農業者を紹介します。
【3】若手農業者が語る 農業への想い~DINO FARMERS
勝山市内の農業を盛り上げようと、地元の若手農業者の皆さんが立ち上げた「ディノファーマーズ」。
農業にかける想いをお伺いしました。
■高橋 小春(たかはし こはる)さん
◇べり果
農業の課題は高齢化と後継者不足だと思います。就農者向けの制度をPRして、Iターン・Uターン者を狙って、今後新規就農者を増やしたいなって思っています。新しい仲間を増やして、勝山の農業を盛り上げたいです。
「勝山市でイチゴを作り始めて3年目になります」
■黒瀬 公雅(くろせ きみか)さん
◇きみごろFARM
今栽培しているものを確実に、納得できる品質のものを常に出し続けられるような、技術をまず確立したいと思っています。そして勝山の新しい特産物を作っていきたいと考えていて、勝山なら福井県内にもないようなものもできるんじゃないかなと思っています。
「自宅の田んぼにハウスを新しく建て、きゅうり、ミディトマト、冬はほうれん草を、露地で奥越特産のナスを栽培しています」
■滝本 紫音(たきもと しおん)さん
◇平泉寺のパン屋さん
若い人はアイデアをたくさん持っていると思うので、実現に向けて応援してほしいと思います。勝山をアピールするとともに若い農業者に光を当てたPRをしていただけたら嬉しいです。注目されることでやる気につながります。
「昨年の11月から「平泉寺のパン屋さん」というパン屋をはじめました」
■松川 大輔(まつかわ だいすけ)さん
◇ネギ農家
有機野菜で、みんなに認めてもらえるような野菜を作っていきたいです。そして農業を楽しく見せられて、しっかりちゃんと周りも応援もしてくれるような環境を作れたらなと、日々考えて取り組んでいます。
「食育をもっと広げて、農業をやりたい子どもを増やしたいです!」
■小林 誠(こばやし まこと)さん
◇田歩
農家を引き継いで、最初はいやいや農業をしてきましたが、だんだん面白くなってきました。
せっかくこだわって農業をやっているのなら、みんなに届けたいという思いで、キッチンカーとか今色々なことにチャレンジしています。
「昨年、米の国際大会に出品したところ「プレミアムライセンス ベストファーマー」という評価をいただくことができました‼」
■丸山 修治(まるやま しゅうじ)さん
◇里芋農家
里芋の定植までは機械化が進んでいますが、収穫については手作業で行っています。また栽培技術について、まだ経験が未熟のため、地域の皆さんの協力を得ながら収穫量を増やしていきたいです。
「特産の里芋を栽培しています!」
■吉田 克哉(よしだ かつや)さん
◇志Farm
農業を始めて3年、独立して2年目です。主にネギの栽培を行っていて、今年からは水菜の栽培を始めました。分からないことも多いですが、近くの農家さんと情報交換して、日々検討しながら頑張っています。
「野菜に付加価値をつけて、どんどんアピールしていきたい!」
■今回の市民意見交換会の対談内容は市ホームページに掲載しています
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