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JCHO-Column

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福井県勝山市

■大腸がんについて
福井勝山総合病院
副院長兼外科診療部長 田口誠一

大腸がんは結腸と直腸に発生するがんのことで、日本ではS状結腸と直腸に多く発生します。1年間に約15万人の人が大腸がんに罹患します。2020年の統計で、罹患数は男性では前立腺がんに次いで2位、女性では乳がんに次いで2位でした。2023年の統計で、死亡数は男性では肺がんに次いで2位、女性では1位となっています。
大腸がんは腸壁の粘膜に発生しますが、進行すると深い層へと浸潤し大腸の閉塞や、周囲の臓器へ広がっていきます。症状は早期ではほとんどありませんが、進行すると血便、腹痛、便秘、下痢などの症状がみられるようになります。
2022年の大腸がん検診の受診率は男性が49・1%、女性が42・8%であり半数にも届いていません。便潜血陽性と判定され、精密検査を受けている人は約半数しかいないのが現状です。
大腸がんの治療は進歩しており、早期であれば内視鏡治療、がんの進行度により手術治療(開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術)、薬物治療、放射線治療などがおこなわれています。国立がんセンターのデータで、大腸がんの5年相対生存率はリンパ節転移がないもので97・3%、リンパ節転移があるもので75・3%、遠隔転移があるもの(ステージ4)で17・3%となっており、早期に発見し治療すれば比較的治りやすいがんの一つと考えられます。
しかし症状が出てから発見される大腸がんは進行していることが多いため40歳以上の人には症状がなくても大腸がん検診を受けることが推奨されています。
1年に1回大腸がん検診を受けていただくことをお勧めします。野菜の摂取や適度な運動は大腸がんの予防になるといわれています。また、便通異常のある方、親族に大腸がんにかかった人が複数いるなど、少しでも心配がある方は当院消化器内科、外科またはお近くの医療機関にご相談ください。

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