■第3回 紫式部と鹿蒜(かひる)の地
平安時代、紫式部が、父・藤原為時(ふじわらのためとき)に付き添い越前国府へ向かったルートには南越前町内も含まれているとされています。そこで今回は、「鹿蒜(かひる)」の地について取り上げます。
鹿蒜(かひる)は、現在の南今庄集落(旧名は帰(かえる)村)から新道(しんどう)集落にかけての中間地域に比定されるといいます。北陸道の関門で奈良時代には「鹿蒜(かひる)駅」が置かれました。この時代の「駅」は現代と異なり、それぞれの「駅」には「駅馬(はゆま)*」が設けられていました。*駅路の通行に供用された馬のこと。
さらに、この地には『延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)』にもその名がある鹿蒜(かひる)神社が鎮座しています。養蚕と駅地の神として崇敬され、近くの帰かえる山とともに広く知られたところです。
紫式部は、そのような鹿蒜(かひる)の地について、以下の2句を詠んでいます(2句とも『紫式部集』より)。
行(ゆ)きめぐり 誰(たれ)も都(みやこ)に 帰(かへ)る山(やま) いつはたときく 程(ほど)の遙(はる)けさ
故郷(ふるさと)に 帰(かへ)る山路(やまじ)の それならば 心(こころ)やゆくと 雪(ゆき)も見(み)てまし
「帰る山」は鹿蒜(かひる)(帰(かえる))の山々のことを指しており「いつはた」は五幡(いつはた)(敦賀市)と「いつかまた」の掛言葉です。
もしかしたら、紫式部は京から府中へ向かう途中に鹿蒜(かひる)駅で一泊するとともに、鹿蒜(かひる)神社にも足を運んだのかもしれません。
■イベント告知
◇「紫式部と南越前町ゆかりの地」イベントを9月29日(日)に開催します!
8:30~ 後藤ひろみ氏と巡る紫式部ゆかりの地バスツアー
11:00~ 後藤ひろみ氏による講演会
13:30~ 講談師・玉田玉秀斎氏による講談会
※詳しくは、8月9日(金)に各戸配布のチラシをご覧ください。
◇紫式部プロジェクト「紫式部の旅」再現行列 参加者募集!
県内外の自治体と協力し、都から越前国府への旅を再現します。再現にあたり、県内外ゆかりの地で行列を作り、儀式を行うため、紫式部や父・藤原為時(ふじわらのためとき)に扮しこの行列に参加する人を募集します。
日時・場所:
10月18日(金) 京都府宇治市(宇治上神社)、滋賀県大津市(石山寺ほか)
10月19日(土) 敦賀市(氣比神宮)、南越前町(鹿蒜神社)
10月20日(日) 越前市(総社大神宮ほか)
募集:紫式部、藤原為時、藤原宣孝、侍女、従者役など。募集単位は宇治市、大津市、福井県内の3区分で45役柄、総数114名。
※福井県内分については、1日単位での応募も可能です。
参加費:無料
応募方法:本紙の応募フォームからお申し込みください。
応募締切:8月20日(火)
主催:紫式部プロジェクト推進協議会、越前市
※応募者多数の場合、事務局で選考を行ったうえで決定。
問合せ:教育委員会事務局
【電話】0778-47-8005
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