「自治会」ってよく耳にするけど、何の会?と思ったことはありませんか。
同じ地域に住んでいる人同士、仲良く助け合って暮らしていこうという考え方は、今も昔も変わりません。自治会は、連帯感のある、住みよい地域をつくるための、一番身近な住民組織。今回は、私たちの暮らしと自治会との関わりについて見てみましょう。
◆「もしも」を守る「いつも」の関係性
「あっ、見て、トンボや!」。
坂井町兵庫地区に暮らす米元篤史(よねもとあつし)さん一家。小学1年生の歩睦(あゆむ)くんは兵庫地区が大好きです。「地区の人と大の仲良しで、登下校中も、ご近所の方に自分からあいさつするんです」と、母親の裕子(ゆうこ)さんは目を細めます。
◇海外で知った自治会の絆
数年前、海外赴任のため一家で日本を離れ、自宅を空けている期間がありました。「海外には自治会のようなものはなく、近所に誰が住んでいるか知らない環境でした。何の集まりも拘束もない生活は、気楽な一方で家族以外に頼れる人がいない。ー不安でしたね」。
冬のある日、坂井町の自宅の屋外水道管が破裂して、水が噴き出したことがあったそうです。「同じ班の方が気づいて、すぐに連絡をくれたので、事なきを得ました。ご近所同士、自治会の同じ班という関係性がなかったら、どうなっていたことか」と裕子さん。自治会の緩やかなつながりがとてもありがたかったと言います。
◇意識しない安心がここに
帰国後、裕子さんは、兵庫地区での日常のあいさつや何気ない会話に、ふと安らぎを感じるそうです。「身近に顔見知りがいる、家族のことを知ってくれている人が近くにいるという安心感は、外で暮らさなかったら、きっと実感できなかった幸せですね」と裕子さん。「逆に、私たちも、誰かの支えや地域で何かに役立っているのかもしれないと思うと、それも幸せです」。
普段は特に意識しなくても、「もしも」のときに力になってくれるのは、やはり「いつも」の関係性です。
「自治会も一つのコミュニティ。自治会のような身近な単位の結びつきが実は大事で、ちゃんと支えられているからこそ幸せなんだということを、子どもたちが成長する過程で、自然に感じてくれるといいなと思います」。
子どもが大人になったときに、地域を大事に思う気持ちをきちんと持っていてほしいー。米元さんの願いは、坂井市に暮らしていればきっと、叶うに違いありません。
私たちの日常は、意識しないところで、自治会内のつながりに守られているのかもしれません。
次のページでは、実際に自治会の運営を支える人たちをクローズアップします。
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