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自治体の皆さまへ

寄り添い、支える 更生保護を知ろう(2)

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福井県坂井市

■犯罪がない世界が一番 でも人間には欲があるから
罪を犯した人たちが、社会へ復帰する仲立ちをするのが保護司。人の抱える孤独や孤立を知り、葛藤を見守る存在です。

坂井地区保護司会
会長 髙橋 研一(たかはし けんいち)さん
「自己能力開発による向上」を座右の銘に掲げる髙橋さん。
人には無限の可能性がある。
生かすも生かさないも自分次第。見守る中で伝わったら…

◇教員生活の思いが出発点
中学校の教員だっ髙橋さんが保護司になるきっかけは、先輩からの誘いでした。「警察のお世話になった生徒がいたことが頭をよぎり、罪を犯した人が社会復帰する手助けができないか」と思い保護司に。定年退職した2カ月後には保護司の辞令を受け、その帰りに依頼されたのは窃盗の罪を犯した高校生ぐらいの子。生徒を思う心から始まった髙橋さんの保護司人生は、14年続き今に至っています。

◇家族の温かみの中へ 再スタートのお手伝い
刑務所や少年院から出所後の、身元引受人や帰住先を調査する環境調整も保護司の仕事。「温かい家族の中で見守ってもらうのが一番良いけど、そう簡単にはいかない」。再犯の原因の一つに、孤独や孤立といった環境や心の寂しさがあります。本人は更生したい気持ちがあるのに、家族や周りから拒絶されてしまう状況に立ち会ったこともあるそう。「家庭の事情はそれぞれ。でも中には、家族が孤立させていたことを認め反省し受け入れることもある」。家族との仲立ちをし、再スタートのお手伝いをする髙橋さんは、保護観察が終わった後いつでも相談に乗ることを伝え、温かく見守り続けます。

◇日常会話から 交流が始まりつながる
「上から目線でものを言わないこと。こうすべきなどと義務的なことを押し付けず、話を聞いて道から外れてきたと思ったら、また話をしていく。対応するときは日常会話から入り、教え諭す言い方をしないよう心掛けています」と髙橋さん。保護司の活動をしていくうちに「こうしなければならない」と言っていた教員時代から変わったと話します。犯罪や非行に至った経緯は人によって違うため、繊細な気遣いを意識しているそう。保護観察が終わった後も、家族を含めて交流が続いていくことがあるという。髙橋さんは「うわべだけの関係でなく、心と心がつながり長続きする人間関係がいいなと。その手助けができたらと思う」と優しくほほ笑みながら話します。

◇ほとんどの人が改めたいと思う
「罪を犯した人だと特別視せずに、普通に対応してほしい。排除や色眼鏡で見てしまうから、再犯せざるを得なくなってしまう可能性もある。過去に罪を犯した人は悪い人というイメージを持ってしまうが、反省をして真面目に生きたいと思っている人がほとんどです」。過去に罪を犯しても、反省してやり直そうとした時には温かく見守り『おはよう。こんにちは。さようなら』が普通に言える社会を目指し、髙橋さんは啓発活動にも力を入れています。

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