■更生保護女性会ってね、ほっとけない精神があるの
地域に根差した更生保護女性会の活動は、学校の見守りや子ども食堂、あいさつ運動のお手伝いと多岐にわたります。
坂井地区更生保護女性会
会長 久光 遵子(ひさみつ じゅんこ)さん
更生保護教室の後に子どもたちが書く標語は、「更生したら仲間だよ」という言葉であふれています
◇40代から更生保護の道へ
更生保護女性会に入って28年目の久光さん。家がお寺ということもあり、保護司を務め始めた翌年に更生保護女性会の会員になりました。勉強会やあいさつ運動、研修会で更生保護の理解を深め、役員になってからは刑務所の誕生会へ訪問、更生保護施設で食事作りなどの立ち直り支援もしています。
◇ありがとうの作文も送ってくれるんですよ
「なぜこんなに真面目にいるこの人が…」。更生保護施設へ訪れた時のことを話す久光さんは、うつむき加減でつぶやきました。犯罪を犯して、身寄りがない人が行きつく場所が更生保護施設。更生保護女性会は、施設で家庭料理を毎月振る舞います。1月に簡単なおせちやカツを持っていくと、「おいしい。こんなの食べたことない」と何度もおかわりをする入所者たち。今までの食事や生活など、その人の過去や背景を考えるようになりました。食事の前にはペン習字の講師として触れ合います。「どんな罪を犯してきたのか分からないけど、ペン習字を1時間何もしゃべらずに書くんです。一生懸命ね」。更生保護施設を訪れて知ったのは、真面目に一生懸命暮らし、再スタートをする人達でした。
◇普通の人と同じ。偏見を持たないでほしい
「生まれたときから悪い人はいない。環境などの理由で切羽詰まって、そうせざるを得なかった子がたくさんいるだろうなと、ふと思います」。犯罪や非行は本人のせいだけでないこともあります。しかし、刑務所に入った人を家族や周りはなかなか受け入れられないのが現状と久光さん。「普通の人と同じです。しゃべってることも、受け答えも。偏った見方でなく、温かく見守ってほしいです。難しいけど、それが第一歩なんです」。世の中に出た時に温かい気持ちになってほしいと願う久光さん。犯罪を犯した人が偏見を持たれず普通に生活できる社会になればと希望を抱きます。
◇「ごめんなさい」素直に謝ることの大切さ
保護司会と協力し、市内の小学生向けに更生保護教室を始めたのは6年前。日本更生保護協会が作成した絵本を基に、更生保護について考えてもらい、悪いことをしたら素直に謝ることの大切さを伝えます。「ごめんなさいを言うことで、みんな大丈夫だよと許す。大人でも一言謝れなくて関係が修復できなくなることありますよね。ごめんなさいが言えたら違ったのに」。この教室を通して、子どもたちには短冊に標語を書いてもらうそう。出来上がる標語は、子ども視点の素直な言葉でいっぱいです。
子どもたちが作った標語
・立ち直り みんな仲間 支えよう
・更生し みんなで仲良く 差別なし
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