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特集 Well-being 幸せ実感まちづくり(1)

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福井県坂井市

■Well-being 幸せ実感まちづくり~まちを想うひと言が灯した ちいさな明かりたち~
近年、Well-being(ウェルビーイング=身体的、精神的、社会的にも完全に満たされた状態)という言葉をよく耳にするようになりました。
福井県は「幸福度日本一の県」と言われ、幸福(Happiness、ハピネス)との言葉も使われますが、一方で、地域の豊かさや心豊かな暮らしの共通の指標として、このウェルビーイングも「幸せ実感」の大切なキーワードとなっています。
そこで市では、この社会的に満たされた状態に着目し、「近い未来に自分たちが住むまちがどうなってほしいか」を念頭に、昨年6月から、10年後、20年後の地域を住民の皆さんと共に考えるワークショップを始めました。こうした住民対話を通して、地域の幸せを考え、まちづくりの一歩を踏み出した地区も出てきました。
そもそも、人間にとって幸福の尺度はさまざまであり、「福井は幸福度日本一」と言われても、現実的にはピンと来ない人が多いかも知れません。
幸せに暮らせるまちは、何が違うのでしょうか。
今回は、皆さんと「幸せを実感できるまちづくり」を考えてみたいと思います。

◆坂井市民のウェルビーイングって?
◇社会的な幸福に着目
坂井市は、ウェルビーイングの概念の中でも、特に「社会的にも幸せな状態が続くこと」に着目。どうすれば「地域の中で誰もが幸せを実感しながら暮らすことができるのか」を、市民と行政が一緒になって考え、取り組んでいきたいと考えています。その取り組みを地道に進めていくことで、市が総合計画に掲げる未来像『輝く未来へ…みんなで創る希望のまち』が見えてくるかもしれません。

◇幸せ実感 8つの指標
市では、令和5年度に実施した市民対象の「まちづくりカレッジ」(持続可能な地域社会をつくるための人材育成)で、幸せを実感するためには何が必要かを検討し、受講生たちで指標づくりを進めてきました。
そこで出来上がったのが、地域づくりを進める上で、幸せ実感(ウェルビーイング)を押し上げるための8つの指標です。

◆8つの指標 まちづくりカレッジ受講生と考えた「幸せ実感の指標」
今年策定する第二次坂井市総合計画後期基本計画にもウェルビーイングの視点を取り入れ、市民誰もが幸せを感じることができるまちを目指します。

1自己実現
自分の能力や個性を生かして、自分らしく力を発揮できるまち

2誇らしく思える
自信や愛着を持って、心からすばらしいと思えるまち

3自分らしくいられる
自分の考えや意思を持って、自分の意見を言えるまち

4安全で安心できる
防災や防犯、交通安全などに努力して、安心して暮らせるまち

5楽しくわくわくできる
喜びや情熱がわくこと、生きがいや楽しみを持って暮らせるまち

6希望をもって暮らせる
ビジョンに向かって力を出し合い、乗り越えられる持続可能なまち

7助け合える
互いに思いやり、愛情ややさしさを持って協力し合えるまち

8互いを尊重できる
一人一人の個性や人権を尊重し、違いを理解し、認め合えるまち

いろいろな人が住むこのまちで、幸せ実感があふれていく。私が暮らす地域がそうあるために、私にもできることがある―。
次のページからは、そんなまちを想った一言から生まれた活動や、それに関わる人たちを紹介します。

◆Well+being(ウェルビーイング)
心身の健康や社会的関係性が満たされた状態
WHO(世界保健機関)は1946年、憲章の中でウェルビーイングとは「人々が身体的・精神的・社会的に満たされた状態であること」と提唱しています。
幸せと訳されることの多い「ハピネス(Happiness)」が一時的・瞬間的な、精神的な面での幸せであるのに対し、ウェルビーイングは社会的な面も含め、多面的・持続的な幸せとしていることが特徴です。
また最近では、日本でも内閣府を始め各省庁がウェルビーイングの向上を各政策の中に盛り込んでいます。

◇幸福度日本一とはいうけれど…
全47都道府県幸福度ランキング(日本総合研究所)で、福井県は12年連続で「日本一」です。その一方で、坂井市が昨年度に行った住民満足度調査では、地域への愛着はあるものの、地域で自分の力を発揮したり、希望や楽しさ感じたりという項目は、必ずしも高い数値ではありません。

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