福井の昔の写真を、学芸員の解説を添えて紹介します。
■駅前電車通りの歩行者天国
昭和45年8月16日、駅前電車通りで「日曜広場」が始まりました。毎月第3日曜日の「家庭の日」に、車両通行止めにした電車通りを歩行者に開放するイベントで、商店街の振興とサービス向上のため、福井駅前商店街が企画したものです。
当時「歩行者天国」「買い物公園」などと呼ばれたこうした取り組みは、東京の銀座や新宿、池袋などでも盛んに行われ、全国的なブームとなりました。繁華街から車を一掃することで、急速に進んだ車社会に一石を投じるという狙いもあったようです。
当時の福井駅前といえば、まさに大衆文化の中心地。日曜広場には、多くの子ども連れや若者が集い、回を追うごとに新しい流行を取り入れた催し物などで盛り上がりを見せました。
やがて昭和50年代になると、福井の商業は、駅前地区、郊外型ショッピングセンター、郊外専門店群の三極が競合する時代に移り変わっていきます。長年多くの市民に愛された日曜広場は、昭和57年を最後に、その幕を閉じました。
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