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特集 どうする事業承継(1)

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福井県福井市

育てた事業のバトンを次へつなぐために

「あのお店、はやっていたのに営業をやめちゃうんだって」、「お隣さん、今度会社をたたむらしいよ」などの話を見聞きすることはありませんか。地域でよく知られた店がなくなってしまうのは、とても寂しいですね。それらは、会社や事業を後継者に引き継ぐ「事業承継」がうまくできていれば、もしかしたら継続できていたかもしれません。
今回の特集では、福井の事業承継の現状や、スムーズな事業承継に向けた取り組みなどについて紹介します。

■福井の事業者の後継者の状況は?
福井県商工会議所連合会が7月に実施したアンケートでは、県内の事業者のうち、「事業は承継させず自分の代で廃業を検討している」と答えた事業者は、約25%でした。その理由として、「後継者候補がいない」が約20%、「後継者候補はいるが本人に継ぐ意志がない」が約10%でした。後継者の不在が、事業の継続を阻はばむ大きな原因の一つとなっていることが分かります。
さらに、「事業は承継したいがまだ後継者は決まっていない」と答えた事業者のうち60%が、経営状況を「黒字である」と答えています。経営が順調な事業が、後継者がいないために廃業してしまうかもしれません。

■地域にとっての影響は?
地域の事業者が廃業してしまうことで、事業所が培ってきた技能・技術が次世代へ引き継がれないだけでなく、そこで働く人の雇用や知名度、人脈などの目に見えない資産も失われます。これは当事者はもちろん、福井の経済にとっても痛手です。後継者に事業を引き継いでいくことが大きな課題となっています。


出典:「福井県商工会議所連合会事業承継に関するアンケート調査結果報告」(令和5年)
※調査対象は県内7市商工会議所の会員6600事業者(回答数は1658事業者〈回答率25.1%〉)

■check 教えて!事業承継のアレコレ
商工振興課 宮越
(事業承継についてお答えします。)

Q.事業承継には、どのような種類があるのですか?
A.事業承継には、三つの種類があります。
(1)親族内承継…現経営者の子どもなどが後継者となる承継
(2)従業員承継…役員や工場長、やる気のある若手などに引き継ぐ承継
(3)第三者承継…身近に後継者候補がいない場合に、外部人材などが受け継ぐ承継

Q.事業承継について、どこに相談すればよいですか?
A.福井県事業承継・引継ぎ支援センターがあります。
(1)(2)(3)のいずれの承継についても、センターで相談に応じています。
また、必要に応じて、専門家につなぐこともしています。

Q.福井県事業承継・引継ぎ支援センターでは、どのようなことを相談できますか?
A.中小企業診断士などの専門家が、親族内承継事業者に対しての承継手続きの相談・事業承継計画作成支援などを行っています。
また、後継者を探している事業者や、創業を目指す起業家に向けては、「後継者人材バンク」(4ページを参照)を通じたマッチングを実施しています。創業を目指す起業家にとって事業承継は、「顧客や仕入れ先などの前経営者の経営資源を引き継ぐことで創業リスクやコストを抑えることができる」、「知名度や人脈など、前経営者の目に見えない資産も承継できる」、「後継者不在事業を引き継ぐことで、地域の雇用や事業サービスといった機能維持につながり地域活性化に貢献できる」などのメリットがあります。起業に興味がある人は、ご利用ください。
さらに、事業承継の「成功」には、成立後の取り組みも重要になります。事業承継後も、継続的に相談に応じています。

Q.福井県事業承継・引継ぎ支援センターに相談したいときはどうすれば良いですか?
A.電話またはホームページから相談してください。
Point1…相談は無料
・幅広い相談に対応できます。
・何度でも相談できます。

Point2…公的機関
・福井県事業承継・引継ぎ支援センターは、国が設置した公的相談窓口です。
・相談者の秘密は守られます。

Point3…専門家が在籍
・事業承継のプロが支援します。
・豊富な経験で親身になってサポートします。

問合せ:福井県事業承継・引継ぎ支援センター(西木田2丁目 福井商工会議所ビル2階)
【電話】33-8279【FAX】33-8286

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

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