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自治体の皆さまへ

特集 どうする事業承継(3)

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福井県福井市

■実例紹介
第三者承継や従業員承継の実例について紹介します。どのような思いで承継が行われたのか、ご覧ください。

▽第三者承継 「北ノ庄クラシックス」の場合
音楽ライブや落語会などを開催している「北ノ庄クラシックス」。前経営者の横田さんから、浜田さんと林さんの2人に事業承継されました。そんな2人に共通していたのは、「この建物のロケーションが好きで、失いたくない」という思いでした。
浜田さんは、約10年前に横田さんが北ノ庄クラシックスを立ち上げたときの創立メンバーでした。数年後に運営からは抜けましたが、時々手伝いに来ていました。
高齢になり、運営を続けることに不安を感じていた横田さんから、浜田さんに「事業を継がないか」と声かけがあったのが令和3年8月のこと。音響などの技術面については自信があった浜田さんでしたが、運営や事務が自分にできるか迷いがありました。そこで、「イベント運営で、営業や事務をこなしてきた」という林さんを誘いました。ワンパークフェスティバルにも関わるなど、イベント運営を行っている林さんは、これまで北ノ庄クラシックスをよく利用していました。
昨年4月から約1年間は主に運営を手伝い、今年8月、正式に事業を引き継ぎました。
林さんは、「いよいよこれから自分たちで事業を回していかないといけないので、身の引き締まる思いです。コロナ禍などで遠ざかっていたイベント運営者の方も戻ってきていると感じています。まだ計画段階ですが、飲食の提供ができるよう、施設を改修しようと考えています」と今後への抱負を語ります。
自らの経験も踏まえ、2人は起業を目指す人にこう呼び掛けます。「0から1は難しいかもしれないが、1から2であれば起業に向けたハードルは下がるのではないかと思います。起業を考えている人は、事業承継も選択肢にしてください」

▽従業員承継 「フラワーandグリーンAILI(あいりい)」の場合
フラワーショップ「フラワーandグリーンAILI」の代表小澤さん。
10年ほど前からパートで勤め始め、店長を務めた後、昨年7月に承継元の五十嵐さんから事業承継しました。
最初は店を継ぐことになるなんて思ってもみなかった小澤さんですが、「今では、このお店が自分の生きがいになっています」と話します。
「お客様の気持ちをくみ取って、お応えするのがこのお店の持ち味。お客様から『このお店の花は、とても長持ちしますね』という声をかけてもらったときや、出来上がった商品を見て喜んでいるお客様の顔を見たときは、とてもうれしいです」と話します。
小澤さんが「このお店で働きたい」と言って店を訪ねたのは、ちょうど五十嵐さんが、自身のライフワークである和紙クラフトに集中するために、店を誰かに譲ることを考えていたときでした。小澤さんの笑顔を見て、「事業を譲るのはこの人しかいない」と直感したと言います。
以来、花を扱う技術だけではなく、経理などの仕事も徐々に任せていき、経営のノウハウを引き継いでいきました。
「フラワーアレンジメントの随所に小澤さんの個性が出てきています。お客様の要望に応えようと頑張っている証拠です」と、小澤さんに温かい眼差しを向けます。
「体の健康に必要なのが食なら、心の健康に必要なのが花。小澤さんには、地域の皆さんを笑顔にしてほしい」と期待を寄せます。
小澤さんは、その期待に応えるように、「最近はお花屋さんも減って、花に触れる機会も少なくなっています。地域の方を招いて、花束や生花のワークショップやアレンジメント教室を開催するなど、今まで以上に、地域と密接につながっていきたい」と、今後に向けた抱負を力強く語ってくれました。

事業者の皆さんは、先代から引き継いだ事業、自身で育てた技術や人材を次世代へつなぐため、まずは相談してください。
起業を考えている皆さんは、地域のあのお店を次の時代に引き継ぐお手伝いをしてみませんか。
地域の皆さんも、これを機会に、地域の問題として事業承継をあらためて考えてみませんか。

YouTubeチャンネル「福井市広報課ふくチャンネル」でも事業承継についての番組を公開中です。
いきいき情報ふくい
「事業承継~育てた事業を次の世代へ~」

問合せ:商工振興課
【電話】20-5325【FAX】20-5323

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