今月のテーマ「つなぐ」
■『人と組織が変わる 暗闇ごはん』
青江覚峰/著(徳間書店)
薄暗闇の中、アイマスクを着けて食事をする「暗闇ごはん」。企業の研修で多く利用されている。
視覚に頼らず食事をすることで、普段の生活の中で意識しない自分の持っている先入観や、他者の寛容さに気付く。見えない中でのやり取りが人と人をつなぐ手助けをし、企業の問題解決を導く効果にもつながるという。
筆者は経営学を学んだ料理僧。巻末に個人でも実践できる方法やレシピを掲載している。
■『生者のポエトリー』
岩井圭也/著(集英社)
市役所勤務の押本は、市民から詩の朗読を集めてデータベース化する事業「街角の詩」を進めていた。中には行き場のない思いをさらけ出した不器用な詩もあるが、技術や体裁よりも、詩に込められた真実に人は心震わされるものだ。
押本は詩を聞くたびに、無関係だった他人と自分がひとつなぎになるのを感じていた。そんな矢先、事業が突然中止になる。集めた詩をなかったことにできるのか?
「詩」でつながる連作短編集。
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