今月のテーマ「樹木」
■『木』
幸田文著(新潮社)
随筆家で作家である著者の、木を題材にした随筆集。
著者は、父幸田露伴の方針で幼いころから木々に親しんで育った。草木に「心をよせるなど、そんなしっかりしたことではない」と書いている著者。しかし、藤をめぐる幸田親子の話や大工と語った材木の話など、木々を介して描かれるエピソードに、草木を愛でる心持ちが感じられる。
■『Shinrin-Yoku(森林浴)心と体を癒す自然セラピー』
宮崎良文著(創元社)
ストレス社会における森林浴の有用性を、世界で初めて生理実験によって検証した著者。本書では森林浴の楽しみ方だけでなく、観葉植物や精油、木材の道具などを身近な生活に取り入れるだけでも免疫機能の改善があることを紹介している。ページをめくれば美しい自然の写真に癒やされ、人間が本来持つ自然への憧れが呼び起こされる。
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