福井の昔の写真を、学芸員の解説を添えて紹介します。
■福井駅西口の一等商業地「三角地帯」
「FUKUMACHI BLOCK(ふくまちぶろつく)」がオープンし、現在も再開発が進む福井駅西口の通称「三角地帯」。
元々この場所は、福井城の下馬門とその東西に延びる石垣や水堀があった場所で、昭和初期までその景観を残していましたが、昭和10年代には水堀が埋め立てられ商店が立ち並ぶようになりました(石垣も戦災後に撤去)。
震災後、復興都市計画によって現在の中央大通りが新設されたことで、それまでの駅前通り(現在の駅前電車通り)と駅前広場に囲まれた区域が、現在「三角地帯」と呼ばれる駅西口の一等商業地として発展していくことになります。昭和20年代の写真にはまだ木造の商店しか写っていませんが、昭和40年中頃の写真を見ると、多くのビルが立ち並んでいることが分かります。中でも駅向かいの加藤ビルには、昭和42年、名古屋市に本社を持つ衣料スーパー「ほていや」(ユニー)が開業し、県外資本による大型量販店の出店第1号となりました。
ここから本市でも、駅周辺と郊外の大型量販店出店競争が本格化し、現在につながる駅周辺の再開発への道のりの起点となりました。
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