福井の昔の写真を、学芸員の解説を添えて紹介します。
■長い梅雨に安らぎを与えてくれる 福井市の花アジサイ
梅雨の時季になると、福井市のまちの至る所で、大小さまざまで色とりどりのアジサイが咲き誇ります。福井市とアジサイの関わりは、昭和29年、復興都市計画事業として足羽山自然公園の整備が進められ、観賞植物園に1000株のアジサイが植樹されたことに始まります。さらに昭和44年、市制80周年記念事業により8000株が追加で植樹され、現在は1万1000株のアジサイが足羽山を彩っています。
昭和54年、市制90周年のときに「市の花」を公募したところ、総数2480通、108品種の応募の中、アジサイが576通で1位となります。開花期間が長く、憂鬱(ゆううつ)な梅雨の季節に心を慰めてくれることや、足羽山や各家庭で多く栽培され、市民に広く育てられていることが選定の理由でした。なお、同時に「市の木」としてマツが選ばれており、年中青々とした緑のシンボルで、冬の寒さに強いという性質が、「不死鳥福井」にふさわしいということで決まりました。
市内では、足羽山あじさいの道のほか、大安禅寺や狐川あじさいロード(社北地区)、中央公園周辺などにも多くのアジサイが植えられ、人気を博しています。
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