今月のテーマ「災害と向き合う」
■『豪雨の災害情報学』
牛山素行著(古今書院)
平成11年から17年に発生した日本の豪雨災害について、筆者のフィールドワークや気象観測データの数値分析などを通じ、現地でどのようなことが起こっているかを、過去との比較を含めて考察している。
さらに、災害情報が周知される方法や周知されるタイミングが、災害時の初期行動に与える影響についても触れている。情報を生かす方法について、共に考えたい。
■『天災ものがたり』
門井慶喜著(講談社)
明暦3年江戸大火、宝永4年富士山噴火、明治29年三陸沖地震、昭和38年豪雪など、歴史に残る災害を題材にした短編小説集。
治水を目的に堤防造りに挑む武田信玄や、津波に備え高台へと地区の移転を試みる漁師など、科学や技術が未発達な時代ながらも自然災害に対処し、立ち向かおうとする人々の暮らしや人生を描いている。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>