美浜1号機 廃止措置中(平成29年4月19日~)
美浜2号機 廃止措置中(平成29年4月19日~)
美浜3号機 第27回定期検査中(令和5年10月25日~)
■美浜発電所3号機第27回定期検査実施
美浜3号機は、令和4年9月26日から本格運転を開始していましたが、10月25日に原子炉を停止し、定期検査(※)が行われています。
今回の定期検査では、燃料集合体全157体のうち57体(新燃料48体、再使用燃料9体)を交換する予定であり、令和6年1月中旬に原子炉起動及び調整運転等が開始され、2月中旬から本格運転が再開される予定です。
定期検査において、原子炉本体や原子炉冷却系統設備、放射線管理設備等の点検が実施される他、主要工事として、余熱除去系統の信頼性向上の観点から「化学体積制御系統抽出水オリフィス取替工事(詳細は13頁)」が実施されます。また、設備の保全対策として、2次系配管肉厚の管理指針に基づき「2次系配管の点検・取替(詳細は14頁)」等が実施されます。
今月号では、この主要工事や設備の保全対策等についてお知らせします。
※原子力発電所では、原子炉等規制法に基づき、設備を安全な状態に保ち、トラブルを未然に防止して安定した運転を続けるため、定期的に発電を停止し、検査を行うこととなっています。
第27回定期検査の作業工程
◆化学体積制御系統 抽出水オリフィス取替工事
米国の原子力規制委員会が米国原子力事業者に対し「蒸気ボイド(気泡)による余熱除去ポンプ機能喪失」について通知したことを受け、当該系統の信頼性向上の観点から余熱除去ポンプ機能喪失事象の検証を実施しました。
検証の結果、現運用では原子炉起動時の圧力調整運転において余熱除去ポンプ機能喪失が生じる可能性があることが分かったため、新たに化学体積制御系統を用いた1次冷却材系統の圧力調整が実施できるよう、抽出水オリフィスを口径の大きいものに取り替えます。
▽余熱除去ポンプ機能喪失が生じるおそれのあるケース
(1)原子炉起動中に1次冷却材が漏えい
↓進展
(2)燃料取替用水タンクから注水を実施
↓進展
(3)配管内の水が圧力低下により沸騰
上記事象の進展により、燃料取替用水タンクから水温の低い水が余熱除去ポンプに送水され、余熱除去系統の圧力が低下します。系統内の水が沸騰することでボイド(気泡)が発生し、ポンプが損傷する可能性があります。
そのため、上記事象が生じる温度に達する前に、化学体積制御系等を用いた調整運転へと切り替えできるよう、A抽出水オリフィスの口径を大きいものへと取り替え、圧力の調整が可能となるよう設備を改修します。
※系統概要図、抽出水オリフィス概要図は、本紙をご覧ください。
原子炉起動時の1次冷却材の温度と圧力の推移
◆2次系配管の点検
関西電力(株)が定めた「2次系配管肉厚の管理指針」に基づき、1,532箇所の配管の超音波検査(肉厚測定)を実施します。併せて、高圧排気管の直管部32箇所について、配管内面から目視点検を実施し、配管内面に減肉が認められれば、追加で超音波検査を実施します。
2次系配管肉厚の管理指針に基づく超音波検査箇所
◆2次系配管の取替
過去の点検において減肉傾向が確認された部位12箇所、配管取替時の作業性を勘案した部位41箇所、今後の保守性を考慮した部位36箇所、合計89箇所を耐食性に優れたステンレス鋼または低合金鋼の配管に取り替えます。
※系統別概要図は、本紙をご覧ください。
■広域避難先の大野市職員が美浜原子力発電所等を見学
町では、万が一の原子力災害発生による避難指示が出た場合に備え、広域避難計画を策定し、地区ごとの避難施設や避難方法等を定めています。
この避難施設を確実に確保できるよう「大野市」と「おおい町」を指定しており、有事の際に備えています。
11月2日に、この避難先の1つである大野市職員を対象に、原子力災害時の広域避難や原子力発電所について理解を深めることを目的とした研修と見学会を実施しました。
当日は、同市の防災担当課職員や避難受入の際の各避難施設の担当職員等11名が参加し、移動中のバス車内で町職員から広域避難計画の概要について説明を受けるとともに、原子力災害時の広域避難等に関するDVDを視聴し、原子力災害時における対応について理解を深めました。
本町到着後は、エネルギー環境教育体験館きいぱすで、町のエネルギー環境教育の取り組みや日常生活におけるエネルギー利用について学びました。
その後、美浜原子力PRセンター及び美浜発電所で発電所の概要や安全対策工事等について説明を受け、原子力発電の必要性や安全対策について理解を深めました。
今後も大野市との連携・協力をはじめ、交流を図っていきます。
大野市への避難ルートと避難施設
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