■関西電力(株)が使用済燃料乾式貯蔵施設の設置計画に係る事前了解願いを提出
関西電力(株)は、使用済燃料対策ロードマップ(下段参照)を令和5年10月に策定し、使用済燃料の県外搬出を着実に実施するとともに、発電所が継続して運転できるよう取り組む強い決意と覚悟を示しており、福井県知事より一定の前進があったと評価を受けています。
このロードマップの中で検討を進めるとされた使用済燃料乾式貯蔵施設について、2月8日に、町は関西電力(株)から「原子力発電所周辺環境の安全確保等に関する協定書」第3条第2項(※)に基づく、使用済燃料乾式貯蔵施設の設置計画に係る事前了解願いの提出を受けました。
※原子炉施設に重要な変更を行おうとするときは、事前に了解を得なければならない
◆事前了解願い及び乾式貯蔵施設の概要
使用済燃料の中間貯蔵施設へのより円滑な搬出、更に搬出までの間、電源を使用せずに安全性の高い方式で保管できるよう、発電所からの将来の搬出に備えて発電所構内に使用済燃料乾式貯蔵施設を設置する。
・設置位置(次項参照)
・貯蔵方式(次項参照)
・構造及び設備(次項参照)
・容量 最大10基 約100t
・計画 2026年~2030年頃
町としては、提出された事前了解願いについて、安全安心の最大限の確保や地域の振興等、さまざまな観点から総合的に判断していきます。
◆関西電力(株)が公表している使用済燃料対策ロードマップ
・六ヶ所再処理工場の2024年度上期の出来るだけ早い時期の竣工に向け、関西電力を中心に、審査・検査に対応する人材を更に確保
・2025年度から再処理開始、2026年度から使用済燃料受入れ開始。再処理工場への関西電力の使用済燃料の搬出にあたり、必要量を確保し搬出するよう取り組む
・使用済MOX燃料の再処理実証研究のため、2027年度から2029年度にかけて高浜発電所の使用済燃料約200tをフランス・オラノ社に搬出
・更に実証研究の進捗・状況に応じ、フランスへの搬出量の積み増しを検討
・中間貯蔵施設の他地点を確保し、2030年頃に操業開始
・中間貯蔵施設の操業を開始する2030年頃までの間、六ヶ所再処理工場及びフランス・オラノ社への搬出により、使用済燃料の貯蔵量の増加を抑制
・あらゆる可能性を組み合わせて必要な搬出容量を確保し、着実に発電所が継続して運転できるよう、環境を整備する
・本ロードマップの実効性を担保するため、今後、原則として貯蔵容量を増加させない
・使用済燃料の中間貯蔵施設へのより円滑な搬出、さらに搬出までの間、電源を使用せずに安全性の高い方式で保管できるよう、発電所からの将来の搬出に備えて発電所構内に乾式貯蔵施設の設置を検討
◆乾式貯蔵施設の概要
▽容量・設置位置等
容量:最大10基、約100t
設置位置:
※詳しくは、本紙をご覧ください。
工期:2026年~2030年
▽貯蔵方式(個別格納方式)
輸送・貯蔵兼用キャスクに衝撃吸収カバーを取り付け、横向きの状態で架台に載せ、基礎等に固定しない方法を採用します。
発電所敷地境界外での放射線量を低減するため、遮蔽用の鉄筋コンクリート製の格納設備をキャスクごとに設置することで敷地境界外における空間線量率は、原子炉施設本体等からの線量を含めても原子力発電所(軽水炉)周辺の線量目標値である年間50μSvを十分下回ります。
この方式は、乾式貯蔵に係る規制が見直され(※)、安全性が確保されたさまざまな貯蔵方式に対応したことを受けたものです。
※原子力発電所敷地内での輸送・貯蔵兼用乾式キャスクによる使用済燃料の貯蔵に関する審査ガイド(令和元年3月)
※詳しくは、本紙をご覧ください。
◆輸送・貯蔵兼用キャスクの概要
▽安全機能
除熱機能:発生する熱をキャスクの表面に伝え、外気で冷却する
閉じ込め機能:一次蓋、二次蓋の二重蓋で密封を維持し、放射性物質を閉じ込める
遮蔽機能:金属製の胴・蓋や中性子遮蔽材等により放射線を遮蔽する
臨界防止機能:バスケットにより使用済燃料の間隔を保ち臨界を防止する
堅牢性:地震時に作用する力、竜巻による飛来物の衝突、森林火災等の自然現象及び地震等による格納設備損傷の影響に対しても安全機能が維持できる
▽輸送・貯蔵兼用キャスクの主な仕様
主要寸法(キャスク本体):全長…約5.2m 外径…約2.5m
収容燃料:15×15型 ウラン燃料
使用済み燃料収納体数:21体
収納する燃料の冷却期間:15年以上
設計貯蔵期間:60年
※詳しくは、本紙をご覧ください。
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