7月25日から31日までの7日間、美浜中学校の生徒8人と教員・町職員の引率者6人による「美浜町ジュニア対外交流団」が、本町と姉妹都市提携を結ぶ台湾新北(しんぺい)市石門区を訪問しました。
この訪問は、町の将来を担う美浜中学校の生徒が異国の文化や生活等について見聞を広め、石門実験中学生との交流を通して社会性・協調性を養い、心豊かでたくましい人材の育成を目的に行われています。
平成2年度以降、1年おきに実施をしていたジュニア対外交流団の相互訪問が、新型コロナウイルスの感染拡大により平成29年度に実施後、見送られていました。今回、コロナ禍を乗り越え6年ぶりに美浜町と石門区とのホームステイ事業が再開されました。
■新北市石門区ってどんなところ?
新北市石門区は、台湾の首都・台北から北へ25kmに位置する台湾最北端の街です。平成22年12月に行政区が再編され、「石門郷」から「新北市石門区」に名称が変更されました。
面積は51・26km(美浜町の約3分の1)、人口は約1万2千人です。烏龍茶やシイタケ、タケノコ、蘭の産地として有名で、12kmにも及ぶ海岸線は景観がすばらしく、絶好の観光地になっています。
本町とは、互いに原子力発電所が立地していることをきっかけに、昭和63年8月に姉妹都市となり、以来交流を深めています。
■生徒たちは、今回のホームステイを通して何を学び、何を感じたのでしょう。現地での様子と感想を紹介します。
(▽が生徒たちの感想)
◆7月25日(木)
出発当日、台風の影響により飛行機の出発が遅れ、関西国際空港に、長時間滞在することとなりました。台湾桃園(とうえん)国際空港に到着したのも26日の早朝となったため、予定を変更し、ホテルで休養することとなりました。
▽「今回のホームステイで初めて海外に行きました。台風の影響で出発が遅れ、到着した空港でも長時間待つことになり、少し疲れました。海外だとこのようなトラブルもあるのかなと、ある意味いい経験になりました」
◆7月26日(金)
夕方に石門実験中学校から各ホームステイ先へ移動し、初めてパートナーやその家族と顔を合わせました。
▽「初めてパートナーと会ったときは緊張しましたが、翻訳アプリやジェスチャーを使って楽しく会話をすることができました」
「パ―トナーと一緒に夜市に出かけました。日本にはないものがたくさんあって、文化の違いを感じることができました」
「ホームステイ先で日本の遊びと台湾の遊びを教え合いました。伝えることは難しかったけれど、一緒に楽しく遊べました」
◆7月27日(土)
この日は、忠烈祠(ちゅうれつし)兵隊による交代を鑑賞した後、みんなで中華レストランに行って小籠包等の昼食をとり、台北101を訪れました。
▽「忠烈祠兵隊の交代を初めて生で見ました。銃を地面に打ちつけて音を立てたり、銃を回しながら歩く姿はとてもかっこよかったです」
「初めて円卓のテーブルで料理を食べましたが、みんなで少しずつ取って回しながら食べたのが、すごく楽しかったです」
◆7月28日(日)
遊園地や動物園、プールが一体となったテーマパーク「六福村(ろくふくむら)」でウォータースライダーやアトラクション等を楽しみました。
また、3日目を迎えたホームステイは、この夜が最後となりました。
▽「遊園地のアトラクションはとても怖かったですが、日本には無い乗り物があって楽しかったです」
「パートナーや他のみんなと一緒にウォータースライダーで滑ったり、流れるプールで遊びました。言葉が通じないときもありましたが、関係なく楽しめましたし、より絆を深めることができました」
◆7月29日(月)
石門実験中学校へ登校し、歓迎会が行われ、台湾の伝統である「獅子舞」や「中国ごま」「ちまき作り」等の体験学習を行いました。
その後、石門区内の観光地を散策し、楽しい時間を過ごしました。
▽「獅子舞や中国ごまの体験は、想像したよりも難しく、台湾の生徒たちは、私たちに披露するためにたくさん練習をしてくれたのだなと思いました。こんなに素晴らしい歓迎をしてくれたことにとても感動しました」
「ホームステイで最終日となってしまい、とても名残惜しかったですが、ホームステイの家族はみんな笑顔でいてくれたので嬉しかったです」
◆7月30日(火)
鶯歌(おうか)陶芸DIYで、絵付けを体験した後、陶磁器博物館を見学しました。
夕食会ではパートナーも出席し、みんなで台湾最後の夜を楽しみました。
▽「陶磁器博物館では、陶磁器の作り方や陶磁器を作るための道具が展示されていて、深く知ることができました」
「送別の夕食会では、ペアの子だけでなく、みんなで楽しく料理を食べて、一緒に歌ったり踊ったりして、楽しいひとときでした」
◆7月31日(水)
石門区役所でのお別れ会では、別れを惜しみ握手したり、抱き合う生徒たちの姿が見られました。その後、台湾桃園国際空港へ行き、生徒たちはパートナーに見送られ日本への帰路につきました。
▽「お別れのお茶会があり、ホームステイ中の思い出を記録したビデオを見ました。この1週間楽しいことばかりだったので、少し寂しい気持ちにもなりました」
「1週間の終わりが来た時は本当に寂しく、日本に帰りたくない気分でした」
◆今回の訪問で、生徒たちは異なる言語や文化の違い、現地の人たちの温かさ等に触れ、初めての経験に戸惑いながらも多くのことを体験しました。
来年1月には、さらなる友好を築くために、石門実験中学校の生徒が本町を訪れる予定です。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>