美浜1号機:廃止措置中(平成29年4月19日~)
美浜2号機:廃止措置中(平成29年4月19日~)
美浜3号機:運転中(令和6年11月21日~)
■美浜発電所3号機の営業運転再開について
定格熱出力一定運転中の美浜3号機において、1次冷却水クーラ(※1)の海水系統戻り母管(※2)に微小な穴と減肉が見つかったことについて、調査が行われました。
調査の結果、当該配管は、バタフライ弁の下流にあり、流路が狭く圧力が低下することから、キャビテーション(※3)によるエロージョン(※4)が発生し、エポキシ樹脂で補修したライニング(※5)が剥がれて配管母材の減肉が進行したところに局部的な腐食が発生し、貫通に至ったものと推定されました。
今回の事象への対策として、関西電力(株)は、11月15日に、当該配管をポリエチレンライニングが施工された配管に取り替えました。その後、1次冷却水クーラ海水系統の使用前検査を実施し、系統の復旧が確認できたことから、11月21日に原子炉を起動して発送電が再開されました。
※1 1次系のポンプやモーター等で発生した熱を除去するための冷却水を海水により冷却する機器
※2 1次系冷却水クーラ出口から海水を海へ放出する配管
※3 液体の急激な圧力低下により局部的に沸騰し、気泡が発生する事象
※4 気泡が消滅する際に衝撃圧が作用し材料が損傷する事象
※5 配管と海水が接触しないように配管内面を樹脂等でコーティングするもの
■地盤隆起を想定した海水取水訓練の実施について
美浜発電所では、重大事故対策要員の対応能力向上を図るため、大容量ポンプや送水車による海水取水訓練を実施しています。
新規制基準適合性審査を通じて、発電所近傍の活断層が動いた場合でも敷地が大きく隆起しないことが確認されていますが、今年度は原子力規制委員会からの要求で、能登半島地震のように約4mの地盤隆起を想定した訓練が実施されました。訓練では、代替の海水取水箇所を選定し、実際に設備を配置・接続することで、想定以上の事象が発生した場合の対策の実効性が検証されました。
■全国原子力発電所所在市町村協議会の全体会議が開催されました
11月21日に、全国原子力発電所所在市町村協議会の全体会議が、全国都市会館(東京都)で開催されました。
当日は、同協議会の会員及び準会員である28市町村の首長や議長等が出席し、経済産業省や内閣府等の関係機関出席のもと、使用済燃料対策や原子力災害時の避難道路整備をはじめ、原子力発電等を取り巻く課題について、活発な意見交換が行われました。
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