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福井県鯖江市

■第340回 文化財編(17) 未来へ郷土の歴史を伝える文化財
鯖江市内に国指定文化財が誕生し、市史の編纂事業が始まった昭和40~50年代は市の歴史的な魅力が再認識された時期でした。また、昭和49年に「やっしきまつり」が始まり、その翌年に「越前漆器」が伝産法に基づく伝統的工芸品となったことも、後世に鯖江の文化を遺す取り組みの大きな弾みとなりました。
この頃、昭和28~46年の発掘調査で出土した弥生後期~古墳後期にかけての遺物群、室町後期~江戸初期の信仰資料、鯖江藩関連資料といった鯖江の歴史の一幕を彩った郷土の宝が市の文化財指定を受けました。
朝倉氏の祈願所だったという長襌寺の本尊を例にみると、その台座には元亀3年(1572)に金谷村から寄進されたことが記されています。しかし、その翌年に朝倉氏は織田信長の侵攻で滅び、釈迦如来像は今日に至って歴史の潮目と乱世を生きた人々の祈りを私たちに垣間見せてくれる存在となりました。
「文化」とは「人間が自然に手を加えて形成してきた物心両面の成果」と説明されるように、由緒ある文物は先人の生き様を如実に物語ります。文化財は先人の暮らしの痕跡を未来へと繋いでいくのです。
(文化課 藤田彩)

◇昭和49・50年度指定の市指定文化財
鯖江藩家老植田家長屋門(旭町)
加多志波神社の鼻高(川島町)
長襌寺釈迦牟尼如来立像(尾花町)
八幡神社の狛犬(神明町)
神明社慶長の燈篭(水落町)
鯖江市の出土品(まなべの館)
間部家文書(まなべの館)
間部詮勝の花押・落款(まなべの館)

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