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ふるさと散歩道

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福井県鯖江市

■第341回 文化財編(18) まちの発展と功労者の歩み
江戸時代の幕が上がると各地で為政者による開発が進み、現在の町並みの礎(いしずえ)ができあがりました。
鯖江市域でその足跡をたどると、神明地区の長久寺では大坂夏の陣で戦功を挙げた一方で、幕府に疎まれて豊後に流された2代目北庄(福井)藩主松平忠直の供養塔を見ることができます。「暴君」とも評される忠直ですが、地元では交通の難所であった北陸道や鳥羽野を整備した開拓の功労者として敬愛されています。
また、江戸時代中期に間部家が村上藩から移封(いほう)されて鯖江藩が成立すると、鯖江地区では陣屋を中心に城下町の開発が進みました。現在の屋形稲荷公園は能役者から大名に上り詰めた藩祖間部詮房を祀る受福堂のあった場所です。この御堂の門は藩主別邸の流れをくむ松阜(まつがおか)神社に移築され、今も大切に守られています。
さらに幕末になると2度の老中を務めた7代目鯖江藩主詮勝が登場します。優れた政治家であり、書画も巧みとした彼の作品は各地に遺りますが、なかでも萬慶寺(ばんけいじ)の天井に描かれた龍神・風雷神図は圧巻です。
進化し続ける鯖江、今もまちには発展に尽力した先人の歩みが遺っています。
(文化課 藤田彩)

◇昭和55・63年度指定の市指定文化財
忠直卿(きょう)御墓所(神明町)
萬慶寺本堂天井絵(深江町)
鯖江藩受福堂御門(旭町)

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