文字サイズ
自治体の皆さまへ

ふるさと散歩道

8/47

福井県鯖江市

■第347回 文化財編(24) 在りし日の三峯村の面影残す墓塔群
昭和12年(1937)、一乗谷村鹿俣(かなまた)に通じる上戸口の狭隘(きょうあい)な高地で栄えた三峯村の最後の住人が山を降り、軍記物語『太平記』にも名を留める村の歴史に幕が下りました。
南北朝時代に城山(しろやま)(標高405m)の頂(いただき)に築かれた三峯城の眼下には、養老年間に起源を持つという三峯寺がありました。寺は朝倉氏が滅び、一向一揆が勢いを増した戦国時代に廃絶したと考えられますが、寺とともに発展した集落では、江戸時代に至るまで竹や藤の細工・薪炭商い・油の実採取が行われていました。
しかし、住人がいなくなった今では、かつての村人たちの墓(丘陵南西斜面の三日月形の平坦面)が佇むのみとなっています。墓(村)跡からは、石塔のほか骨を納める甕棺(かめかん)・陶磁器・火葬土坑などが発見され、当地が中世以来の山城・寺院・墓地が一体的に残存する稀有な遺跡群であることが明らかとなりました。
大いちょうが黄金に染まる秋が過ぎ、冬の雪に閉ざされる旧三峯村は、静かに緑萌える春を待っています。
(文化課 藤田彩)

◇平成12年度指定の市指定文化財
三峯村墓地跡出土品(上戸口町、まなべの館)
三峯村墓地跡(上戸口町)
三峯の大いちょう(上戸口町)
木造阿弥陀如来立像(横越町)

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU