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ふるさと散歩道

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福井県鯖江市

■第339回 文化財編(16) むかしといまを繋ぐ鯖江の樹木
昭和25年(1950)に「文化財保護法」が制定され、地方自治体でも文化財の保護に対する意識が高まるなか、鯖江市では昭和44年に「文化財保護条例」が制定されました。昭和46~50年には、継体天皇ゆかりの薄墨桜・斎藤実盛ゆかりの柊・鯖江藩時代に大庄屋を勤めた旧家の羅漢樹・36連隊ゆかりの桜など、「歴史の生証人」ともいえる天然記念物が市指定文化財となりました。
平野と丘陵状山地で構成される鯖江市域には、古代から人々が生活し、里山は薪炭材・建材・牛馬の餌となる木々や草地を育んできました。今でも近世以来の社寺林では幹回り400cmを超える大杉が葉を繁らせ、古樹林(原生林)では日本暖帯に属する元来の植生が保持されています。
一方で、高度経済成長期には工業化と大規模開発で公害問題が深刻化し、各地で農村や里山が姿を消しました。鯖江市でもこの問題を受けて、自然環境を守り、未来に継承するために、日野川水系の水質や大気汚染の測定調査が始まりました。文化財指定は先人が培ってきた多様な文化を繋ぐ手段であり、地域史の継承は過去の知恵を未来社会に還元する取り組みでもあるのです。
(文化課 藤田彩)

◇昭和46~50年度指定の市指定文化財
上河内の薄墨桜(上河内町)
斎藤実十郎家のひいらぎ(南井町)
玉村弥左衛門家の羅漢樹(中戸口町)
烏ヶ森社叢(水落町)
三六の桜(三六町)
薬師堂古樹林(下新庄町)
日吉神社の相生の大杉(上野田町)
刀那神社の大杉(上戸口町)

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