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鯖江でがんばる あの人の笑顔と素顔 vol.3

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福井県鯖江市

大学職員andオカリナ奏者の「二刀流」 代田雅揮(しろたまさき)さん(33)
愛用のオカリナは220本を数える。コロナ禍中の空き時間を活用して潜水士などさまざまな資格を取得、メディアに取り上げられる。県のお見合い事業参加がきっかけで4月に結婚。鯖江市出身、市内在住。

《癒しの音色 みんなに届け》
「今から演奏する曲はタイトルを言わないので、当ててみてください。難しいって?大丈夫、絶対に聞いたことがあります」
8月10日午後、長泉寺児童センター。集まった子どもたちを前に人気アニメの曲をオカリナで奏でると、「知ってる」「あの曲だ」と歓声が飛んだ。自身が教える仁愛大オカリナ同好会と共に臨んだ演奏会。盛り上げ上手のオカリナ奏者は、大学職員を本業に持つ「二刀流」のエンターテイナーだ。
オカリナとの出会いは小学1年の頃。表面に自由に絵付けして遊べるオカリナを買ってもらった。人気キャラクターの絵を描き、ニスで仕上げたオカリナは大のお気に入りになった。「あまりに好きすぎて、休日になるといつも首からぶら下げて吹いていました」。丸みがあって小柄で、吹くと柔らかな音が出る。魔法のような楽器に魅了された日々が原体験にある。
運命の歯車が再び動き出したのはそれから約15年後のクリスマスイブ。音楽の教員を目指して地元の大学に通っていた時、失恋を経験したのだ。せめて自分にクリスマスのプレゼントをしよう。そう思った時、幼い頃に夢中になったあの楽器が真っ先に浮かんだ。インターネットで取り寄せ、さっそく吹いてみた。柔らかな音色は懐かしさも伴って体じゅうを包み、やがて胸が熱くなった。「ギターやサックスのようにギラギラした音じゃない。気持ちが救われたのは優しい音色のオカリナだからでしょう」
練習を重ねると、持ち前の音楽センスも手伝って腕を上げていった。プロ奏者の西村眞一郎さんらのグループともつながり、県内での依頼演奏を重ねるほどになった。
大学卒業後はソロでも活動し始め、2016年には有志と「県オカリナ協会」を設立。さらに、愛好家たちの交流の場を作ろうと県規模のフェスも催すようになった。この間、自身も腕を磨き、県内外のコンクールなどで受賞を重ねた。
軽快な語り口と爽やかないでたち、確かな技術は口コミで次第に広がっていき、知名度と共にファンも拡大。現在では自身が催すコンサートのほか、子ども食堂や各種のイベントなどに定期的に呼ばれ、演奏を続けている。収益は児童養護施設などへの寄付に回すのも信条だ。「オカリナの魅力は誰でも気軽に吹けるところ。優しい音色を多くの人に届けるのが僕の生きがいですね」。オカリナ界の貴公子から白い歯がこぼれた。

全国でも珍しい「市民主役」を掲げる鯖江市。この街で暮らす『主役』の皆さんの応援歌を書きたい!そんな思いで編集担当職員が取材に伺います。自薦・他薦は問いませんので、情報をお寄せください。(※日程などの都合で取材に行けない場合もあります)
秘書広聴課
【電話】53-2203
【E-mail】SC-HishoKocho@city.sabae.lg.jp

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