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鯖江でがんばる あの人の笑顔と素顔 vol.2

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福井県鯖江市

たんなん野菜生産組合ブロッコリー部会長 加藤修一(かとうしゅういち)さん(38)
本文中に登場する大学時代の後輩と結婚し、現在は2男の父。座右の銘は人間万事塞翁が馬。「計画通りにならないお天気勝負の日々を後押ししてくれる言葉ですね」

《異色の農家 ブランド化をけん引》
こんもりしたアーチ状の見た目からその名前が付いた「さばえさんどーむブロッコリー」。販売額1億円の産地づくりに向けてブランド化が進む「推し」野菜だ。その旗振り役である「たんなん野菜生産組合ブロッコリー部会」会長を今春から加藤修一さんが務める。大学では心理学を学び、転職や移住を経て農業に飛び込んだ異色の農家である。
広島県本郷町(現・三原市)で生まれ育ち、中学校では吹奏楽部に入った。チームで一つの音を奏でる吹奏楽。みんなで息を合わせないと美しい音色は生まれない。「どうすればメンバーの心が一つになり、ハーモニーが生まれるんだろう」。担当のクラリネットを吹きながら、内面から音楽を見つめるようになった。
その探求心は次第に膨らみ、大学では心理学科に進んだ。特に、実験的な手法を使って心の理解を深める「実験心理学」にひかれ、キャンパスでは研究や学問の日々を過ごした。
一方で、専門性の高さが生む派閥争いのような雰囲気に疑問も感じたことから、卒業後は家電量販店に就職。3年ほど勤めた後、交際していた大学時代の後輩のUターンを契機に福井に移り住んだ。「ちょうど接客業に踏ん切りをつけたいと思っていた頃だったので、結婚を前提に福井についてきたんです」
後輩のつてで民間企業の農業部門に入ると、一から農業を学ぶ毎日が始まった。日々変わる天候との向き合い方、炎天下の草取り、除草剤の使い方──。文字通り「畑違い」の分野だが、「不思議と苦に感じないのは、実験的な要素が多い農業が性に合っていたからでしょう」
肥料の量や組み合わせで野菜はどう変わるのか。数ある種類の農作物をどんなスケジュールで植えるべきか。試行錯誤しながら野菜と向き合う日々は大学時代の姿と重なり、気が付けば農業にのめりこんでいた。2014年に独立し、現在は市内にある約2.6ヘクタールの畑で約15種類の作物を育てている。
今年4月からは農家やJAなどでつくる「たんなん野菜生産組合」ブロッコリー部会長に指名され、ブランド化に注力する日々だ。ある時、素人の知人から「鯖江でなぜブロッコリーを育てるのか」と驚かれたことがある。「とっさに『鯖江の名産ですよ』と答えましたが、知名度アップはこれからの課題ですね」と加藤さん。「伝統産業が盛んな鯖江は職人気質で探求心が旺盛な農家さんも多い。みんなで力を合わせればブランド化は夢ではありません」。青々と実るブロッコリーに青写真を描く。

■ブロッコリーの収穫時期は年2回
・5月下旬~7月上旬
・10月上旬~翌年1月中旬
取扱店などは市ホームページで

全国でも珍しい「市民主役」を掲げる鯖江市。この街で暮らす『主役』の皆さんの応援歌を書きたい!そんな思いで編集担当職員が取材に伺います。自薦・他薦は問いませんので、情報をお寄せください。(※日程などの都合で取材に行けない場合もあります)
秘書広聴課
【電話】53-2203
【E-mail】SC-HishoKocho@city.sabae.lg.jp

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