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鯖江でがんばる あの人の笑顔と素顔 vol.8

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福井県鯖江市

JR北鯖江駅 名誉駅長 門田吉雄(かどたよしお)さん(89)
「たんなんFM」では2006年から「青空日出夫」の芸名で番組パーソナリティーを務める。詩吟の家元など多彩な顔を持つ。2010年、瑞宝単光章(鉄道業務功労)。

《線路は続くよ、どこまでも》
「おはよう、元気に行ってらっしゃい」「急がなくても大丈夫、大丈夫」
1月15日午前7時半、JR北鯖江駅。足早にホームに向かう学生らを送り出すと、「みんなを元気に送り出すのがわしの生きがいやな」とはにかんだ。大病も乗り越えながら務めてきた名誉駅長。北陸新幹線福井・敦賀開業(3月16日)の前日をもって、丸9年近くかぶってきたきた制帽を脱ぐ。
嶺南の旧八村(やむら)(現若狭町)で生まれ育った。六男五女の六男。夕飯のおかずが足りないときは、近くの海に竿を持って出かけた。大家族を引っ張る国鉄職員(当時)の父は厳格で、「鉄道のレールのようにまっすぐな人だった」。慕っていた2人の兄も国鉄に入ったことから自らも1953年、同じ道に進んだ。
北陸や東海地方の駅で34年勤務し、立ち会った歴史的場面は数知れない。62年の北陸トンネル開通や、63年の「三八豪雪」。80~81年の「五六豪雪」では勤務先だった南条駅(現南越前町)周辺に10mほどの雪が積り、急行電車が12時間立ち往生した。「お腹を空かせたお客さんのために、元気な若い職員がカップラーメンを軽トラックいっぱいに買ってきてね。みんなで手分けして官舎でお湯を沸かしたよ」
退職後に別の仕事も経験した後、2015年からは県内のJR駅で唯一の名誉駅長を務める。JR西日本金沢支社が無人駅の活性化などを目的に委嘱するもので、無報酬の役職である。
駅に立つのは月曜日の早朝。ごみ拾いやトイレ掃除なども欠かさないのは、「気持ちよく駅を使ってほしい」という国鉄職員時代のおもてなし精神そのままだ。ただ、年齢を感じる場面もある。3年前には大動脈の壁に亀裂ができる「大動脈解離」も患った。約3週間の入院生活では不安もあった。しかし、駅を利用してくれる人たちの笑顔を思い浮かべると感謝の気持ちと使命感とやる気がわいてきた。病床を離れてから間もなく再び駅に立ち、現在に至る。
3月には北陸新幹線福井・敦賀開業を迎える。JR北陸線が第三セクター「ハピラインふくい」に受け継がれることに伴って、名誉駅長は間もなく「卒業」だ。「寂しい気持ちがないこともないけど、今年で90歳になることを考えたら、潮時なのかもしれんね」。遠い目をしながら、しみじみ話した。
それでも、下を向くつもりはない。今後は長年パーソナリティーを務めているコミュニティーFM「たんなんFM」の番組でマイクに向かい続けるとともに、長年連れ添う妻・美恵子さん(82)への恩返しにも力を注ぐ。「残された寿命をどう自覚して、楽しく生きるかが大事じゃないかな。生きている今を目一杯楽しまないと」。生涯現役のレールをひた走る元鉄道マンに、終着駅はなさそうだ。

~門田さんからの一言~
皆さんのお陰でここまで務めることができました。ありがとうございました。

全国でも珍しい「市民主役」を掲げる鯖江市。この街で暮らす『主役』の皆さんの応援歌を書きたい!そんな思いで編集担当職員が取材に伺います。自薦・他薦は問いませんので、情報をお寄せください。(※日程などの都合で取材に行けない場合もあります)
秘書広聴課
【電話】53-2203
【E-mail】SC-HishoKocho@city.sabae.lg.jp

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